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産経でイタクラヨシコさんの面白いコラムがありました。スタバ”失速”の理由が、「実のところ、何のことはない、やたらと泡の多い飲み物が割高感を呈し始めたからではないか」というご指摘。「液体部分を飲み終えてなお高々と残る泡の量に心虚(むな)しくなった」そうです。いかにブランドでも不振が伝わってくると、かつての魅力であったものも、欠陥として見えてくるということでしょうか。
スタバ“失速”の原因

スタバは、このコラムでも語られているように、ちょっと中途半端になってきていることを感じます。「北米の都市部のおしゃれなカフェブランド」という価値がどんどん多店舗化を進めるなかで失われ、他のカフェとの違いがよくわからなくなってきていることも事実だと思います。

かなり無理に思える出店をスターバックスは進めてきたわけですが、そもそもスターバックスをそう駆り立てたのも、株価、そして時価総額を上げるために、無理に売上げを上げていこうとしたことにあったのではないかと思えます。
このあたり、ホリエモンのライブドアの最後のあたりで、時価総額こそ企業価値だとして、どう考えても事業の相乗効果が期待できない企業買収に走り、これは危ないと感じたのとか、米国や英国で製造業が消えていったのと根っこは同じ問題だと感じます。

実際のブランド価値というならお客さまからの満足や支持を広げていくことでしょうが、それには時間も労力も必要だし、市場とのやりとりのなかで磨いていくしかありません。
とくに単一のブランド、しかもスターバックスの店舗とサービスの付加価値を保ちながら事業を広げて行くとなるとそれなりの節度や、じっくりマーケットを育てていくということが必要になりますが、株の世界は、そんな悠長な話を待ってはくれません。
北米ではお店をコーヒーの香りで満たしたり、いろいろサービスの質を上げる努力もしているようです。しかし、急激な店舗増で希少性も薄れ、さらにライバルが増えてくると、なかなかそういった地道な努力がすぐに効果を出すというわけにはいかなかったということでしょう。

株の世界は、より高い株価を求めて、短期的な利益と事業の拡大を急がせます。それが時には事業がバブル化してしまい、ブランドとしての価値を希薄化させるというリスクをも生みます。スタバはそれにはまってしまったのではないかということでしょう。
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