2009年01月15日
さらに泥沼にはまりそうなSONY
ダイヤモンドオンラインで、ソニーの中鉢良治社長へのインタビュー記事がでています。 「テレビは高付加価値より値頃感で勝負する」そうです。テレビを止めるというのなら、あるいはテレビ事業を売却するというのなら新鮮な驚きもありますが、値頃感で勝負するということではどうなんだろうかと疑問を感じてしまいます。
ソニー 中鉢良治社長インタビュー「テレビは高付加価値より値頃感で勝負する」
従来型で高付加価値を追求することからシフトするというのは理解できます。当然でしょう。
高付加価値化も、リッチなユーザーに向けて、DVDなりブルーレイで映画を鑑賞するホームシアター・システムという位置づけを行うのなら別でしょうが、その市場規模は小さく、量を売るという発想から離れないといけません。
薄くすることに技術の粋を結集しようが、インターネットの閲覧ができるようにしても、しょせんテレビは「テレビの番組を見る道具」でしかありません。しかも、インターネットの普及によって、「テレビを見る」ことの価値そのものが相対的に低下してきているので、いくら「道具」のほうの付加価値をあげたところで、本当の意味での新しい価値も、新しい需要も生まれてはきません。
それはいいとしても、値頃感で勝負というのはいただけません。値頃感はどんどん下がっていきます。値頃感で勝負というのは、自ら進んで価格下落していくコモディティ化の流れに飛び込んでいくということです。
それだったらSONYというブランドが存在する根拠を失います。もっと安い、ブランドでないテレビはいくらでもあり、そちらにどんどん近づいていくということです。
「SONY復活のために何が必要か」という問いの答えとして、「トップの言っていることを全社員が理解してシェアできるかどうかだ」ということだそうですが、そのトップが「値頃感のある商品で勝負」なんて言っていたらSONYの社員の人だって白けるような気がするのですが、どうなんでしょうね。
SONYというブランドの存在価値が、ワクワクするような商品を生み出してきたこと、また今後ともそうだとするのなら、「テレビを見る道具」という概念を破壊するような新しいコンセプトの商品なり、仕掛けを開発して世に問うつもりだというぐらいでないと誰も納得しないのじゃないでしょうか。
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この記事へのコメント
6. Posted by ITフロンティアの狩人 2009年01月18日 21:55
http://d.hatena.ne.jp/murakyut/
この本の中で、次世代の広告市場は、電通 vs Googleでもなく、ましてやGoogleが独り占めできるプラットフォームでもなく、デジタルサイネージやモバイルなど新しいプレーヤーを含めた複数のプレイヤー達が共存共栄で生き抜く時代になると言っています。本来ならば、SONYはグローバル企業でもあるので、こうした新しい市場を先取りするような視点を持った製品やサービスを打ち出してもらいたいものですね。
5. Posted by aka21 2009年01月16日 13:07
まず、基本的にソニーのテレビにはグレードの差なく機能を充実させています。DLNAの標準搭載がそのいい例です。本来、安価な普及帯を狙うなら、これは必要ありません。そもそも、家庭内LANを張り巡らせている家はわずかしかないんですから。
その点で、すでにソニーのテレビは一般的な訴求からのズレを感じます。
ただ、そうしたスタンスがソニーらしいと言えば、ソニーファンは納得してしまうかも知れませんが。実際、家庭内LANの普及は国家事業として推進されてはいるので、いつかはひと世帯にひとつのLANが形成されるのでしょうから(いつになるかはわかりませんが)。今回の記事を読んだかぎりでは、社長自らがソニーらしさをはき違えているような気もしますけど。
まぁ確かに、地デジ対応のテレビは2011年7月24日までには必須となる予定なので、その時にブラウン管テレビ並みの価格で購入できる製品があれば自ずと売れる、といった程度の目算はあるのかもしれません。
でも、液晶テレビを買うのに「アクオスください」と店員に言うユーザーがほとんどの市場で、ただ安いというだけのテレビを出してどれだけの魅力を訴えることができるのか、わかりませんけど。安いだけならVIZIOにもできるわけですし・・・。
その点で、すでにソニーのテレビは一般的な訴求からのズレを感じます。
ただ、そうしたスタンスがソニーらしいと言えば、ソニーファンは納得してしまうかも知れませんが。実際、家庭内LANの普及は国家事業として推進されてはいるので、いつかはひと世帯にひとつのLANが形成されるのでしょうから(いつになるかはわかりませんが)。今回の記事を読んだかぎりでは、社長自らがソニーらしさをはき違えているような気もしますけど。
まぁ確かに、地デジ対応のテレビは2011年7月24日までには必須となる予定なので、その時にブラウン管テレビ並みの価格で購入できる製品があれば自ずと売れる、といった程度の目算はあるのかもしれません。
でも、液晶テレビを買うのに「アクオスください」と店員に言うユーザーがほとんどの市場で、ただ安いというだけのテレビを出してどれだけの魅力を訴えることができるのか、わかりませんけど。安いだけならVIZIOにもできるわけですし・・・。
4. Posted by 大西 2009年01月16日 10:40
> おそらく中鉢社長は「値頃」の使い方を間違っているのではないでしょう
この議論は社内のスタッフからもありました。しかし、いかに安く売ることでない、ブランドや機能で差別化して、少しのプレミアム価格を得ることができたとしても、市場価格の下落にいまのところ歯止めがかからず、しかもその機能でプレミアム価格を維持できるのは本当に期間が短く、結局は利益のでない競争を延々と繰り返すことになります。
> 新しいコンセプトでも、既存の延長線上の商品でも、それが本当にユーザーにとって本当に必要なものなのかどうかという考えが今特に必要だと思います
ほんとうにそうですね。
この議論は社内のスタッフからもありました。しかし、いかに安く売ることでない、ブランドや機能で差別化して、少しのプレミアム価格を得ることができたとしても、市場価格の下落にいまのところ歯止めがかからず、しかもその機能でプレミアム価格を維持できるのは本当に期間が短く、結局は利益のでない競争を延々と繰り返すことになります。
> 新しいコンセプトでも、既存の延長線上の商品でも、それが本当にユーザーにとって本当に必要なものなのかどうかという考えが今特に必要だと思います
ほんとうにそうですね。
3. Posted by 大西 2009年01月16日 10:35
> この記事を読み、感じることは、「一部の先端層だけと商売をするだけでは、今のソニーの大組織を支えることはできない。今の規模の人員を養うためには、何が何でもトップシェア、普及価格帯も攻めなければビジネスが成立しない」ということです。
>
> これがソニーがいつもぶち当たる最大の壁なんだと思います。
ソニーだけでなく、日本の多くの企業が抱えるジレンマだと思います。しかし、コモディティ化のすさまじい流れの中で、同じパラダイムがいつまでも通用するわけではありません。緩やかに行うのか、IBMがPC部門をレノボに事業を売却したようにドラスティックにやるのかは別にして、事業構造をどうするのかという決断が迫られてきているように感じます。
>
> これがソニーがいつもぶち当たる最大の壁なんだと思います。
ソニーだけでなく、日本の多くの企業が抱えるジレンマだと思います。しかし、コモディティ化のすさまじい流れの中で、同じパラダイムがいつまでも通用するわけではありません。緩やかに行うのか、IBMがPC部門をレノボに事業を売却したようにドラスティックにやるのかは別にして、事業構造をどうするのかという決断が迫られてきているように感じます。
2. Posted by 中 康二 2009年01月16日 08:44
いつもBlogを楽しく読ませていただいております。
この記事を読み、感じることは、「一部の先端層だけと商売をするだけでは、今のソニーの大組織を支えることはできない。今の規模の人員を養うためには、何が何でもトップシェア、普及価格帯も攻めなければビジネスが成立しない」ということです。
これがソニーがいつもぶち当たる最大の壁なんだと思います。
この記事を読み、感じることは、「一部の先端層だけと商売をするだけでは、今のソニーの大組織を支えることはできない。今の規模の人員を養うためには、何が何でもトップシェア、普及価格帯も攻めなければビジネスが成立しない」ということです。
これがソニーがいつもぶち当たる最大の壁なんだと思います。
1. Posted by HAKK 2009年01月15日 12:57

「ユーザーが必要とする商品を先読みして開発するという原点にたつ」という考え方は私は支持します。
新しいコンセプトでも、既存の延長線上の商品でも、それが本当にユーザーにとって本当に必要なものなのかどうかという考えが今特に必要だと思います




