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Gooの記事で、クラブハリエが取り上げられていました。いつの間にか、滋賀県の和菓子の老舗「たねや」が展開する洋菓子部門のクラブハリエが、バウムクーヘンのクラブハリエB-studioとして多店舗展開を加速し、いずれの店もいつも行列ができていることで注目されるようになってきました。
行列バームクーヘンから学ぶ戦略

しかし、クラブハリエは地元の滋賀県では、もともと行列ができる有名店であり、バウムクーヘンだけでなく、近江八幡の日牟禮ヴィレッジや守山玻璃絵館などにある喫茶コーナーも、順番入れ替え制であり並ばないと入れない人気スポットです。
近江八幡の日牟禮ヴィレッジは近江八幡に観光で訪れる人たちが寄るということもあるでしょうが、守山の店は、とてもついでに寄るという立地ではないにも関わらず、人の列ができているのです。
日牟禮守山
日牟禮ヴィレッジ
守山玻璃絵館

もちろん、クラブハリエのバウムクーヘンは美味しいのですが、しかし、美味しいと言うだけで、これだけの人気が得られるというものではありません。日牟禮ヴィレッジや守山玻璃絵館に行けばわかると思いますが、お店が煉瓦造りの洋館であり、庭には季節の花が咲き、豊かさや文化の香りを楽しめる空間が広がっており、またバウムクーヘンを創っている清潔な工房が見えます。
つまり非日常の「体験」と手作りのプロセスも含めた文化の「見える化」を行って、味覚を超えた付加価値をクラブハリエは提供してくれているのです。しかも、並んで買ったクラブハリエのバウムクーヘンは消費期限が当日しかありません。これも、材料がそれだけ自然であり、生の美味しさを味わってもらうというだけでなく、きっとわざわざ並んで買ったという「体験」を、話題として鮮度のあるうちにご家族や友人の人たちに伝える価値にもなっているのではないでしょうか。
つまり、購入から、持ち帰り、実際に食べるというプロセスに、特別な「体験」やコンテンツが埋め込まれているということでしょう。
そして、滋賀県というと建築家であり、また近江兄弟社を生んだウイリアム・ヴォーリズを思い起こさざるをえませんが、やはりホームページの山本CEOの言葉のなかにも、「戦後間もなくこのヴォーリズさんの勧めで洋菓子の製造販売をはじめた」とありました。
つまり、脈々と滋賀県に流れるヴォーリズの文化のDNAがこのクラブハリエにも流れているということでしょう。クラブハリエには、幾重にもコンテンツがあり、それを「見える化」し、さらに「体験」を売るというマーケティングの奥深さにきっと感動があるのではないかと感じます。
近江八幡は世界の中心(過去記事)


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