2008年12月27日

たった28人のアンケート結果を公表して語る愚かさ

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井戸端会議で、あのデジカメにしようと思っている人が多かったという程度の話を、わざわさ調査したって言うのはどうなんでしょうか。
アイシェアとかいう会社が「欲しい最新デジカメ、キヤノンが5割強でトップ」とかいう調査レポートをあちこちに出しているのですが、その根拠になっているのがたった28名のアンケート調査結果というお粗末。

我が社にはまともなリサーチャーはおりませんという表明なんでしょうか。きっとそれは無知をさらけ出すことだということすら気がついていないのでしょうね。
最新デジカメで欲しいメーカーは「キヤノン」がトップ!――アイシェア調べ

この会社の担当者は、全体では456人に対してアンケートを実施したから、十分なサンプル数と考え、暴走したのでしょう。そのなかでデジカメ購入を検討している人が28人。その28人の回答者にどの会社のデジカメが欲しいかを複数回答で質問した結果から、57.1%がキャノンとか、2位以下では男女で差があったとか誇らしげに紹介してしまったのです。そこで本当は常識を働かせるべきでした。

普通のまともな調査会社なら、ありえない話です。この担当者も、この会社も統計の常識を全くわかっていないのでしょうか。まあこのレポートを紹介したメディアは、おつきあいというのがあったり、統計についてはよくわからにということかもしれませんが、気付くべきでしょう。知っているところもあるので、ちょっとメールでもくれたらコメントしたのにと感じてしまいます。

デジカメ購入を予定している人がどうかと語るには、デジカメ購入を検討をしている人が母集団ということになりますが、それをたった28名の回答結果で語るというのは、いかにも無茶な話です。量的な結果を求めないグループインタビューでもその程度の人数はやりますよ。

そういったスタッフワークから離れているので手元に早見表がありませんが、ざっと計算してみると28名だと誤差はほぼ20%弱みないといけないのではないでしょうか。そうすると現実はキャノンにしたい人が、30%ぐらいかもしれないし、70%ぐらいかもしれないという曖昧なことしか言えません。そんな結果に小数点以下でパーセントを表記する神経も普通ではありません。

その程度なら、別にアンケートを実施しなくとも、この程度じゃないかと推測した方が正確じゃないでしょうか。どの程度の信頼度として、どの程度の誤差を見ないといけないのかは、統計を専門的にやっている方にお任せしますが、まあ常識的にはそんなものでしょう。
それにキャノンはかなりこの間、派遣の人の解雇問題でブランドイメージを損ねていると考えられるので、デリケートな問題もあるかもしれず、もっと慎重にやるべきでした。

さらにデジカメとブランドの関係を調べるのなら、購入を予定している、あるいは欲しいデジカメが、コンパクトデジカメなのか、一眼レフなのかで結果は全く違ってきます。それもごっちゃになっていて,担当者がデジカメ市場についてよくわかっていないのでしょう。

このあいだも恥ずかしい調査結果を発表していた会社があって、それについて書きましたが、今回もこの程度のずさんな調査で、内部の資料として使うのでなく、結果を堂々と発表するというのは理解に苦しみます。あまり堅いことは言いたくないのですが。
いい加減な調査をして、その結果を堂々公表する会社って信頼できる?


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1. links for 2008-12-27  [ blue log 2nd ]   2008年12月28日 10:33
トヨタと自動車産業、そして派遣切り|六本木で働いていた元社長のアメブロ (tags: 自動車産業 派遣切り) 愛ちゃん|caiyaオフィシャルブログ MAJI-Caiya Powered by アメブロ ...

この記事へのコメント

3. Posted by 大西   2008年12月28日 10:18
> 統計という学問を一番無視しているのが、テレビの視聴率ですからね。
> テレビの視聴率調査そのもの、その方式、数字のコンマ以下を気にする人たち(広告収入ですか?)が一番の問題だと思いますが。
誤差の範囲でしかない数字に一喜一憂する姿は滑稽でした。しかし、本質的なイノベーションには消極的。駄目になってあたりまえですね。
> このような超勉強不足の調査がはやりすぎると、マーケッティングという事業そのものが詐欺データ作成事業と世間から誤解されていくとおもいます。
おっしゃるとおりです。
2. Posted by 胡桃   2008年12月28日 01:18
統計という学問を一番無視しているのが、テレビの視聴率ですからね。
テレビの視聴率調査そのもの、その方式、数字のコンマ以下を気にする人たち(広告収入ですか?)が一番の問題だと思いますが。

このような超勉強不足の調査がはやりすぎると、マーケッティングという事業そのものが詐欺データ作成事業と世間から誤解されていくとおもいます。
1. Posted by 風竜胆@文理両道   2008年12月27日 15:27
サンプリングは、必ず誤差がつきまとうので、この程度の誤差を許容するなら、どのくらいのサンプリング数が必要だということを検討することは、統計をかじった人なら常識だと思いますが、世の中、結構このレベルの話がころがっていると感じます。
直感的にも、そういったことに疑問を持たないのは、もしかするとマニュアル主義が台頭し、そこに書いてあるやり方が絶対だと信じ込んで、自分で考えなくなってきているということかもしれませんね。

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