2008年12月18日
いい加減な調査をして、その結果を堂々公表する会社って信頼できる?
昨今はネット調査がコストも安く、また迅速に実施できるということで、ネット調査が多用されるようになってきましたが、その反面、調査の信頼性や品質については、疑問に感じることも増えてきました。
ネット調査に限らず、調査コストを抑えるために、社員の人に調査する会社があるようですが、そういった社内の人や関係者の反応と実際の生活者の人たちの反応が全く異なるということは幾度も経験してきたことで、ちょっとそれで意思決定するというのはいくらなんでも危ないと感じます。
ところで、NTTデータ研究所による「高齢者におけるパソコン・ネットの利用動向に関する調査」を見て、思わず絶句してしまいました。いくらネット調査が手軽だからと言っても、調査としてやっていいことと、やってはいけないことがあります。
高齢者におけるパソコン・ネットの利用動向に関する調査
ネットの利用動向を調べるのに、ネットで調査するというのは、アメリカで日本語のアンケートをやって、ほとんどのアメリカ人は日本語を理解したと言うに等しいということは誰でもわかることです。
それに、わざわざオリジナルに調査しなくとも、パソコンやネットの普及率なら総務省が高いコストをかけて調査をやっているので、アンケートを設計する前に、そういった公的データがあるかどうかをチェックしておく必要があります。
まずは、パソコンの普及率ですが、総務省の「全国消費実態調査」で知ることができます。最新が平成16年実施なので古いと言えば古いのですが、当時から60〜64歳で、すでに66.3%、65歳〜69歳で53.4%の普及率となっています。結構普及していますね。
インターネットの普及率では、携帯でのメール利用なども含まれており、高い目の数値となっていますが、総務省が昨年行った「通信利用動向調査」があり、社会実情データ図録でグラフ化されていますのでご参考までに。
インターネット利用者数・人口普及率
ところが、このNTTデータ研究所の調査では、普及率を調べるために、「同世代の知人・親類等で自宅にパソコンを所有している人の割合」を質問しているのです。これはどう考えてもいただけません。
パソコンを所有してネットをこなしている人の周辺は、やはりパソコンを所有し、ネットをこなしている人の割合が高い可能性が極めて高いと考えるのが常識です。
さらにパソコンリタラシー、つまりどれぐらいパソコンを使いこなせるかということを調べていますが、ネットでアンケートに回答できるということそのものが使いこなし能力が高い人たちなので、なんら意味がありません。あくまでパソコンを使いこなしている高齢層の話で、一般的ではありません。
実際に年齢の高い方を調査するのは結構困難で配慮が必要です。年齢が高いとどうしても老眼になってくるので、文字を追いかける速度も落ち、ペーパーのアンケートをやっても若い人の数倍の時間を要します。ましてネットでアンケートに性格に答える方は、相当パソコンやネットを使いこなしているということになります。
特に年齢が高いと、パソコンやインターネットの使いこなし能力は、人によって大きく差がありますので、こういった調査では気をつけないといけません。
この調査は、サンデードライバーも多いなかで、毎日車を乗りこなしている人たちに、一ヶ月にどれぐらい走行距離がありますかと質問して、車を持っている人は一ヶ月にこれぐらい車を走らせていると結論づけているようなものです。
ちなみに、こちらも 2007年に実施された内閣府による「インターネット上における安全確保に関する世論調査」があり、やはり社会実情データ図録でグラフ化され紹介されています。
男女年齢別・職業別・都市規模別のインターネット利用率
それによると、男性の60〜69歳で、インターネットを利用している人が31.3%、ほぼ毎日利用している人が17.6%です。女性の60〜69歳では、それぞれ16.9%と7.1%と言う結果であり、利用状況の年齢による違いを見ると、パソコンの使いこなし能力もかなり違うと推測する方が正しいのでしょう。ネットとパソコンは違うとしても、とてもじゃないけれど、パソコンの利用頻度は60歳以上も以下も90%強が「毎日」と回答しているというほうが異常だと気がつかないといけません。
もともとのアンケートを実施する対象の人たちを間違って、また調査方法も不適切、さらに質問の仕方も良くない、そんなアンケートの結果でいろいろ語るというのはどうなんでしょうね。
高齢者のかたのパソコンやインターネット利用というと、山登りや鳥観察、写真撮影などの趣味のサークルに入り、仲間の人たちとの連絡で必要になってパソコンやインターネットを始めたという方の話を良く聞きます。
また落ち葉をビジネスにし、老齢化した町を活性化させた徳島県上勝町では、お年寄りもその日に必要な収穫量をパソコンとインターネットで確かめるという姿がテレビで放映されていたことを思い出しました。
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この記事へのコメント
1. Posted by
「日々是マーケティング」管理人
2008年12月19日 13:55
NTTデータだけではなく、NTTグループ全体がなんとなく「チグハグ」な印象を最近持っています。
最初はdocomoの「反撃しても・・・」のCMだったのですが。
ロゴも変わり、何か大きな変化が見られるのかな?と思っていたのですが、やはりチグハグ感が否めません。
新サービスの提案が無いため、「新しいコトが、プライムなんだ」と言われても、「新しい商品がプライムなんだ」と言っているようにしか聞こえず・・・。
もしかしたらNTT自体が「通信事業の迷路」を、さまよっているのかも知れませんね。
最初はdocomoの「反撃しても・・・」のCMだったのですが。
ロゴも変わり、何か大きな変化が見られるのかな?と思っていたのですが、やはりチグハグ感が否めません。
新サービスの提案が無いため、「新しいコトが、プライムなんだ」と言われても、「新しい商品がプライムなんだ」と言っているようにしか聞こえず・・・。
もしかしたらNTT自体が「通信事業の迷路」を、さまよっているのかも知れませんね。
2. Posted by
胡桃
2008年12月21日 00:34
NTTデータ経営研究所の調査ですか。
はっきりいって、NTTをはじめ通信業者でまともな統計学を勉強した人がやっていないと思います。
OR (operational resarch)は昔は電話トラフィックの関係で、優秀な研究者がNTTの研究所にいましたが、この部門はなくなっています。
NTTデータなんてのは、素人のあつまりですからマジにいないでしょう。ベースにしているNTTレゾナントも正直、いい加減な技術者のあつまりです。
かれらに、母集団の選定について、統計学の初歩を質問してみると、高校生以下ではないでしょうか。
はっきりいって、NTTをはじめ通信業者でまともな統計学を勉強した人がやっていないと思います。
OR (operational resarch)は昔は電話トラフィックの関係で、優秀な研究者がNTTの研究所にいましたが、この部門はなくなっています。
NTTデータなんてのは、素人のあつまりですからマジにいないでしょう。ベースにしているNTTレゾナントも正直、いい加減な技術者のあつまりです。
かれらに、母集団の選定について、統計学の初歩を質問してみると、高校生以下ではないでしょうか。



