2008年11月04日
パナソニックによる三洋電機買収の衝撃
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景気後退局面では、これまで以上に企業合併などによる業界再編の動きが活発化するだろうということを書こうとしていた矢先に、パナソニックの三洋電機買収合意のニュースが流れました。
なぜかパナソニックへの社名変更についても、今回の三洋電機買収合意、子会社化についても、他の記事に紛れ込んでしまった感がありますが、この買収劇はたんに世界一大きな電機メーカーが生まれるというだけでないように思います。
規模だけでいうなら、サムスン電子の07年の連結売上高が1034億ドルですから、さほど突出した存在となるわけではありません。
さて、三洋電機は、創業者井植歳男が、もともとが松下幸之助の義弟で、パナソニックの創業にもかかわり、松下幸之助から工場を譲り受けスタートしているので、ルーツは同じであり、もとの鞘に戻ったという見方もできます。
事業の重なりの部分を指摘する向きもあるでしょうが、白物家電の分野で、もはや三洋電機は重なりが問題となる存在ではなくなっています。
GfK Japanによる2007年の洗濯機や掃除機などの生活家電分野11分野のが量販店売上データに基づくシェアでは、パナソニックは6分野でトップですが、三洋電機がかろうじてシェーバーで第三位に登場するだけです。パナソニックは、量販店だけでなく系列店の小売店も抱えており、実際のシェアはもっと高いと考えられます。
GfK、2007年の量販店売上データに基づくシェアを公開
AV機器についても、デジカメはすでに自社ブランド生産を行っておらず、OEMメーカーであり、デジタルムービーカメラもかなりニッチな存在であるXactiを残すのみです。携帯も京セラにすでに売却済みです。三洋電機にはあとは業務用の冷蔵庫やショーケースの事業がありますが、価格競争でしかやっていけない存在になってしまっていると聞きます。
誰が考えても、太陽電池事業と、自動車用などのバッテリーという成長領域をパナソニックが取り込むということでしょう。太陽電池の三洋のシェアはあまり高いとは言えませんが、パナソニックはパナホームで住宅事業を、またパナソニック電工は電材、住宅設備機器をやっているので販路の拡大による効果が考えられます。
特に三洋は電気自動車用などで将来性が高い充電池で世界1位の存在であり、特に自動車用では、パナソニックの事業とあわせると自動車用のバッテリーの巨大メーカーが誕生し、圧倒的な存在となります。
パナソニックとしては、これまでは成長エンジンとなっていたデジタル家電が、成熟期を迎え、もはやダイナミックな成長エンジンの役割を担うというわけにいかなくなってきています。台頭してきたサムスンをはじめとした競合がひしめく激戦区です。だからなにか新しい成長エンジンが必要になってきていることは言うまでもないことでしょう。今後の成長エンジンの役割を担う電池事業をとりこみたいという強い動機が、三洋電機買収への動きを促したものと思います。
GEなどがやってきたダイナミック事業再編とはいかないまでも、この三洋電機の買収で、パナソニックは大きく経営の舵を切ったということです。今後に向けて舵を切ったということに大きな意味があるものと思えます。おそらく家電業界の再編をも呼び込みそうで、注目される出来事ではないでしょうか。


