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新しいMACBOOKが発表され、話題を呼び、ネットでは記事が毎日のように記事が更新されています。その記事数は、GOOGOLEのニュース検索で見ると一週間で750件を超えています。さらにテクノラティでも、ブログの人気キーワード第二位となっており、MACBOOKを含んだブログが急増しています。

過去30日間に書かれた、macbookを含む日本語のブログ記事
テクノラティ グラフ: キーワード「macbook」に関するグラフ

確かにネットに流れている写真を見る限り、薄くスタイリッシュに仕上がっていて好感が持てますが、しかし、個人的には、すでにノートPCが、なくてはならない道具とはいえ、特にPCそのものに対して期待するところが、電池の持ちと、OSの立ち上がりの速さぐらいで、その他はほとんどなく、コモディティ的な存在となってしまっているので、MACBOOKそのものに対する関心は沸いてきません。
それによくよく見てみると、人によっては違うかも知れませんが個人的にはさほど感動する技術イノベーションも感じません。トラッキングエリアが拡大したタッチパッドの搭載で、ジェスチャーによって操作するというのも、功罪があるということでしょう。
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それよりは、アップル、というよりもスティーブ・ジョブスのマーケティング戦略の巧みさに惹きつけられます。
iPodとiPhoneで切り開いた高いブランド・イメージ効果で、これまでグラフィック関連市場や教育関連市場のニッチな分野で生き延びてきたアップルのPCが、PCにこだわりを持つユーザーにも少しずつ裾野を広げてきたわけですが、XPやVISTAも使えるので、WINDOWSのPCからのブランドスイッチのリスクも小さく、今回の新しいMACBOOKはさらにファンを広げることは間違いないと思えます。ブランドがいかに重要かの新しいモデルケースにもなりそうです。

さらにスティーブ・ジョブスは、情報を小出しにしながら、コントロールし、巧にメディアやオピニオン・リーダーを引き寄せ、期待感を増幅させ発表にもって行きます。そしてスティーブ・ジョブス自らがプレゼンテーションを行います。これほど見事な演出がかつてあったでしょうか。
iPhoneは、独特の携帯文化ができあがっている日本での反応はいまひとつとしても、グローバルな市場では独特のポジションを固め、実際の販売数量以上の存在感をつくりました。

おそらく、それからこのMACBOOKも、ノートPCユーザーのメインを押さえるところまでいかず、シェアを伸ばす程度でしょうが、それ以上に実態以上のブランド
の存在感をさらに広げることになると思います。
個々の技術イノベーションや広告・プロモーションといったマーケティング手段ではなく、マーケティングを統合して、新しい世界をプロデュースするリーダーシップは、いま求められているマーケティングのあり方を象徴しているように感じますが、比較的ボトムアップ型のマーケティングを行っている日本のマーケティングがそういったマーケティングを実現できるかどうか。もっと異なるマーケティングスタイルを創造できるのかにどうしても関心は向かっていきます。

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