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北海道千歳空港出発ロビーの土産コーナーで並んでいる人の列が目立ちます。花畑牧場の生キャラメル求める人たちです。ちょっと前に、この花畑牧場を特集した番組がありましたが、そのなかで、田中義剛さんが、北海道で牛乳の生産過剰で大量廃棄しなければならない事態が起こった時に、農家は政府や農協に頼っていては生きていけない、ブランドになることしか生き延びる道はないという確信を持ったということを語っていらっしゃいました。
一頭の乳牛を育てることから牧場経営をはじめ、さまざまな苦労を経て育ててきた事業も、今や90億円の売上げをあげているそうです。人の列ができるのも、きっと花畑牧場に、人びとの共感を呼ぶ物語りがあり、そのブランド化に成功したからに他ならないのではないでしょうか。
花畑牧場

「日々是マーケティング」さんが、朝日新聞の「脱下請けへ自社ブランドで百貨店へ 神戸・長田の靴会社」という記事を受け、「積極的に動き出す下請け企業」を書かれていました。こちらも生き残りをかけたブランド化のお話です。
長田地区は、ケミカルシューズをつくる中小零細企業の集積地ですが、阪神大震災で大きなダメージを受け、さらに低価格の海外製品の流入や国内景気の不振が続いていたところに、原油の高騰でさらに経営が厳しくなっており、このまま下請け企業をやっていては生き残れないという思いをもった4社が、阪神百貨店で自社ブランドで直接販売を始めたそうです。
積極的に動き出す下請け企業

「日々是マーケティング」さんが問題提起されているように、顧客のオリジナル靴を作る「私御用達靴工房」といったブランドポジショニングを勝ち取れば、面白いことにもなりそうです。

原材料高、その価格転嫁によるインフレが起こっているとはいえ、下請け企業や中小零細企業には未だに厳しいデフレ圧力が働いており、しかも発注元が業績不振となれば、そのしわ寄せを食うのは中小零細企業というのが現実です。
そういった中小零細企業が生き残っていくためには、ビジネスがB2Bであれ、B2Cであれ、自らの会社や事業をブランド化に成功するかどうか、ブランド化によって、自らの商品やサービスに付加価値をつけていけるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
現代は、「選択」の時代です。マーケットは多様な「選択肢」を求め、すさまじい勢いで分散しはじめています。たとえ小さな市場でも、生き残っているためのスペースがあればいいので、中小零細企業がブランド化を進めるチャンスも広がってきています。
ブランド化といえば、ともすれば大企業、しかもマスマーケティングの世界の話と思う人もいらしゃるかもしれませんが、むしろ中小零細企業にとってのほうが重要なテーマとなってきています。もっと言えば個人にとってもブランド化が生き残っていくために必要になってきたのではないかということです。

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bブランディング22の法則

 

 

 

 


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