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夏休みのなかの連休は、あちらこちらで小さなお子さん連れのご家族の姿が目立っていました。小さなお子さんたちと仲良く遊ぶご両親の姿。さらにそれを見守るおじいさん、おばあさんたちの姿と、報道されている家族内殺人事件とはなかなかイメージがつながってきません。
子供たちが小さなうちはうまくつきあえても、子供たちが大きくなり、思春期独特の悩みを抱える時期になると軋轢が生じてくると言うことでしょうか。

さて、家族ということでは、つきあいは家族が一番大切という考え方が増えてきているようです。地域や親戚とのつきあいも薄れ、さらに職場でのつきあいも浅くなり、コミュニティが希薄化してきている日本では後は家族しか残っておらず、そこに意識が集中してくるということかもしれません。

希薄化する職場・親せき・地域とのつきあいと高まる家族の大切さ

しかし、皮肉なことに、新しい家族主義みたいなものが広がってきているにもかかわらず、家族が家族を殺害する家族内殺人の報道が後を絶ちません。またもかと、なにか異常さを感じるのですが、実際には家族内殺人事件は、件数としては特に急増したというほどではないそうです。殺人事件としてはむしろ長期的には減少してきたそうです。とはいえ、事件の質は変わってきたように感じるのですが、それもやはり報道がそれを集中して取り上げるからでしょうか。

最近家族同士の殺人事件が多いですが。みはさんのご意見を聞かせてください。
日本の凶悪犯罪は減少してます。

家族間殺人でも、介護がまともにできなくなり、頼るところもなく殺めたという事件などは心が痛みます。若い人が大都市に吸収され、残されたのは老夫婦だけという家族も増えてきており、自らではどうしようもないところにまで追い込まれてしまった結果、さらに介護する側も高齢化してしまった結果でしょうが、高齢化がさらに進行していくと、福祉のインフラが整わないままに、経済成長期が終わり、立派な道路だけが空しく残った日本にとっては今後さらに大きな問題になってくるものと思います。

家族が一番大切という価値観が増加し、家族主義が広がっては来ているものの児童虐待は、この10年で激増しているようです。これも児童虐待そのものが増えたのか、児童虐待が発覚した件数が増えたのかよくわかりませんが、閉ざされた密室のなかで、家族間の軋轢を緩和するコミュニティがなく、さまざまなストレスを抱えてきていることもあるのではないでしょうか。
ちょうどNHKの朝の連続ドラマ「瞳」も家族をテーマに描いていますが、そこには月島の下町のコミュニティやダンススクールの友達というコミュニティが重なった人間関係が描かれています。「三丁目の夕日」もそうですが、あのようなコミュニティ、家族以外の人の絆は、寂しいことですが、はもはや郷愁の世界となりつつあるのかもしれません。

高齢化した親を子供が面倒をみるといっても限界があり、コミュニティの機能は、ますます重要になってくるはずですが、さて日本がどうなっていくのか、相当発想の転換や知恵が必要になってきていることだけは間違いないのではないでしょうか。

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