サントリーのビール事業が08年12月期に黒字化する見通しで、しかも1963年にビール事業に参入して以来初めてだそうです。
サントリー、ビール事業悲願の黒字化へ 参入45年で初
45年間赤字でやっていたということですから、執念のようなものを感じるとともに、赤字事業を半世紀近く継続できたのも非上場企業だからでしょう。恐れ入ります。ウィスキーの熟成には長い年月が必要であり、長い目で事業を見るという文化があるのかもしれません。
そういえば、お世話になっている会社が創業50周年を迎えられましたが、古い樽から厳選されたサントリーのウィスキーを頂きました。こういった記念になるものを提供できる企業って少ないですね。思わず、山崎の蒸溜所に眠る樽の列が目に浮かんできました。
ホームページで決算資料を確かめると、一貫して売り上げ、経常利益ともに伸びてきており、2007年の売り上げが1兆4948億円、経常利益が758億円となっています。ビール事業は売り上げの15%を占める2252億円という規模ですが、ビール事業が、経営に緊張感をつくり、チャレンジ精神を育てる健全な赤字部門の働きをしてきたのではないかと思えます。
缶ビールの価格を据え置き、今期中にサッポロを抜いて3位に浮上する見通しであることにに関しても、朝日新聞の佐治信忠社長へのインタビューで「3、4位の争いは大して関心がない。シェア20%、25%を狙わないと意味がない」と語っておられるところを見ると、やはりビール事業には特別な思いやこだわり、もっと大きな夢があるということでしょう。
缶ビールの価格据え置きでサントリーがサッポロ逆転へ
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