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iPhoneはこれまで、通信費売り上げをキャリアと分け合う(レヴェニュー・シェア)、つまりiPhoneを売ると、その後もアップルに収益があるというビジネスモデルでした。
てっきりiPhone3Gも、その方式で、だから4Gタイプで199ドル(およそ2万円)という安い価格で普及させ、後で利益を回収するのかと思っていたら、日本のキャリアが一斉にやめた販売奨励金モデルだというから皮肉な話です。つまりキャリアが機器購入に対して差額を補填し、安価でユーザーに提供するというついこの間まで日本で行われていた方式で安くしたというのです。
しかも、それが日本だけでなく、世界中にその販売奨励金というビジネス・モデルを持ち込んだというのですから、日本発の先端的ビジネスモデルをアップルが世界に普及させ、お家元の日本は世界に見習って割賦販売制度に移行してしまったということでしょう。盲点といえば盲点でした。

販売奨励金モデルだと、最初の機器購入のハードルが下がり、普及が加速化されます。海外で普及している携帯は、日本のような高機能な携帯ではなく、低価格の携帯が一般的ですから、今後3Gの普及によって機器の高機能化、高級化が進むと、それを普及させようとするためには、海外でも販売奨励金モデルに移行していくのかもしれません。

さてiPhoneですが、なにがこれまでの携帯と違うかというと、機能の足し算だけでないということだと思います。新しい「機能」を売り物にしているというよりは、新しい「体験」が売りだということです。しかもさまざまな機能が直感的に使えると感じました。
日本の携帯もデザイン性も高く、ワンセグ、お財布ケータイと機能を足し算してきましたが、新しい「体験」を売りにしたところはなかったのではないでしょうか。日本の弱いところをついてきています。

このiPhoneは、もちろん高校生の若い女の子が買うとは思えませんし、iPodよりははるかにユーザーは絞られてくるでしょうが、PSPのユーザーにかなり近い人たちが買うのではないでしょうか。後はApp StoreでどれだけアプリケーションがでてくるのかでiPhoneの魅力も変わってくるものと思います。

さて後は、フルブラウザーでネットの使い勝手、とくに携帯の貧弱な検索機能が飛躍的によくなると思いますが、気になるのは通信費です。孫社長によれば「音声はホワイトプラン、データはスマートフォン用の料金プランを適用する準備がある」ということだそうですが、もうひと踏ん張りしてくれることを祈るばかりです。そうすればアップルが意図しているビジネスユースも広がってくるのではないでしょうか。

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