バブルの物語―暴落の前に天才がいる

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ガソリンスタンドで表示されているガソリン価格が週末にまた変更され、レギュラーガソリンで170円を超えているところが目立ちました。
そんな看板を見て、頭をよぎったのが、ガルブレイスの『バブルの物語』です。
バブルは、実際の需給関係ではなく、価格の上昇が投機を呼び込み、投機がさらに投機が誘って、どんどん価格がつり上がっていく状態ですが、歴史のなかで、何度も繰り返されてきました。そしてやがてかならず崩壊してきたとガルブレイスは説いています。
この本に書かれているオランダのチューリップのバブルの話だけでなく、日本の明治時代にはウサギが高騰してバブルとなったという話もありますが、いずれも崩壊しています。

80年代後半に土地バブルがありました。それを経験していることが年齢を語っているようですが、当時は、狭い日本には土地がない、限りがある、だから価格が上がるのは当然だと信じていた人が多かったように感じます。需要が供給を超えているので価格があがって当然だという神話を信じ、あまったマネーがどんどん土地になだれ込んでいきました。
日本は、住宅が一世帯1軒を超え、土地はすでに余っているから、需要は供給を上回っていない、この先どうなんでしょうと話すと、そんなことはない、そんな馬鹿な話はない、現実は違うと一蹴されたのが記憶に残っています。

当時が、どれくらい凄かったかというと、2000万円、3000万円で購入した普通のマンションが、連日不動産会社から「売り物件求む」というチラシが入り、なんと1億数千万円で取引されていたのです。
まあ、高く売ったところで、買い換えるにしても他の物件も高いので同じ事なのですが、それで住宅を新規に買った人は、とんでもないローンだけが残りました。そんな状況では、誰も土地やマンションの価格があるときに突然暴落するということは想像できなかったことでした。

資源に限りがあるという話は、間違ってはいませんが、かつてローマクラブが資源には限りがあるという警鐘をならすレポートがありましたが、それが産油国にうまく使われ、一挙に石油価格が上がったのが、かつてのオイルショックでした。なんだか今回もよく似た話が流れていますね。

その後に省エネが大きな時代のテーマとなり、さまざまな技術が生まれてきたのですが、長期的な話と、短期的な話とを混同すると、そこにさまざまな思惑が入り込んで市場がおかしくなってしまいます。

小麦にしたって、オーストラリアの干ばつが価格高騰の原因という人がいますが、本当でしょうか。小麦の生産量のトップは中国で、以下、インド、アメリカ、ロシア、フランス、カナダときて、オーストラリアは7位でしかありません。
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ブッシュ大統領が、食糧高騰はインドの所得向上が原因と言って、インドから猛反発を食らっていましたが、小麦をはじめとした食糧高騰も、トウモロコシを原料とするエタノールの増産から始まったのではないでしょうか。それが小麦にも飛び火してきたのではないかと想像します。バイオ燃料「主犯説」に米農務長官が反論していますが、反論すればするほど怪しく感じてしまいます。実際アメリカの農家はそれで潤い、助成金なしで救済策になっているのですから。
バイオ燃料「主犯説」に反論=食品価格高騰で−米農務長官

ガルブレイスがバブルを防ぐ処方箋のひとつとして、もっと疑うことだと書いていますが、ちょっとマスコミはじめ、なにも疑わずに、価格高騰のメカニズムを解説する人が多いのが気になるところです。しかもほとんど数値なしの解説です。

ガソリン価格の高騰が、CO2問題の関心を高め、さまざまな環境技術、省エネ技術の開発を促進することはいいのですが、先進国から流れ、資源国に集まった富がどこに暴走するかわからないというリスクも同時にはらんでおり、難しくなってきましたね。

フランスのラガルド経済財務雇用相が、最近のエネルギーコストの高騰が経済成長を脅かしていると延べ、、主要8カ国(G8)に対し、原油価格を引き下げるための協調行動を呼びかけたというニュースがありましたが、そういった呼びかけは日本こそ率先してやらないといけないように感じますが、ブッシュ政権に遠慮があって言えないのでしょうか。

ヘッジファンドはリスクを恐れる習性があります。先進国が協調するという強いメッセージを流せば、価格下落を恐れ、さっさとマネーを引き上げはじめ、そこからバブルの崩壊が始まるかも知れません。

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