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船場吉兆の高級料亭としては呆れる食べ残し料理の使い回し問題発覚で、船場吉兆の存続がきわめて厳しくなりました。接待で利用する人が多い高級料亭にとって、のれんとしてのイメージや付加価値が重要であり、小さく報道されるだけでも、ダメージは致命的なものとなり、それ以上騒ぎ立てる必要はないように感じます。

まあ、それはいいとして、よほどマスコミが暇なのか、おぼれる犬を叩いて正義感に浸りたいのか、世にある料亭の一つにすぎないお店の事件、しかも食中毒を起こしたのならいざしらず、それほど価値のあるニュースとは思えない船場吉兆問題を大きく取り上げ、また時間を割いているのはどうしてなのでしょうか。まったく理解できません。鬱屈とした人びとの怒りの矛先をつくることで注目をあびるからでしょうか。

これまで、船場吉兆を利用してきたお客さまなら、使い回しの料理を食べさせられた被害者かもしれず怒るのもわかります。しかし船場吉兆を利用したことのある人はそうは多くはないはずです。

そうなのに、街頭で通行人の人にマイクを向け、船場吉兆の使い回しについてのインタビューをしている様には違和感があり、滑稽にすら感じることがあります。
誰だって、使い回しは酷いと言うに決まっていますし、さらに「こういう問題を起こした船場吉兆に行こうと思いますか」というアナウンサーのナンセンスな質問には驚きました。まずはこれまで船場吉兆を利用したことがあるかどうかを確かめてから質問すべきでしょう。

ほとんどの人は、高級料亭「船場吉兆」の利用経験がないでしょうし、食品使い回し問題が起こらなくとも、今後とも縁がないという人がほとんどではないでしょうか。
ちょっと贅沢な食事を料亭でしてみようと人はいらっしゃるでしょうが、船場吉兆でなくとも、料亭はいくらでもあります。それに社用でなく、個人で利用するなら、船場吉兆は選択肢に入ってこないのじゃないかと思います。
取材するなら、船場吉兆の利用経験がいくらでもあるはずの関西のテレビ局とか新聞社の偉い方々に、「今後も利用したいとおもいますか」と、顔にモザイクをかけることを条件に取材すればリアルな答えが返ってくるでしょうよ。

騒ぎを大きくすればするほど、まじめにやっている他の飲食店があらぬ嫌疑をうけ、迷惑を被ることになりそうです。実際、聞くところによると、使い回しをやっていないかと質問するお客さんがでてきたそうです。

それよりは、ガソリンの値上がりによる国民の負担増が年間で3兆円、資源のメジャーが一方的に値上げした負担増が2兆円ともいわれています。さらに暫定税率復活による増税が2兆6000億円、小麦などの食糧値上げによる負担増がどれくらいかのデータは手元にありませんが、どんどん国民負担が増えていく状況にどう対処するかの議論がないというのも奇妙な話ですね。

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