シェアを落とし、ついに5割を切ってしまったドコモですが、新しく発表されたロゴタイプは、これまでの大文字と小文字を組み合わせたロゴタイプからすべての文字を小文字づかいにしました。こちらもダウンサイジング宣言なのでしょうか。

ドコモ


docomo




ロゴタイプも、普通は新しくなると気分一新という感じになりますが、以前のデザインと比べ、特徴の薄いロゴタイプを見せつけられると、なにをしようとしているのだろうかと首を傾げてしまいます。
どうせ変えるなら、NTTは抜くべきだったと思うのですが、そこはNTT官僚のDNAをしっかり残しておきたかったのでしょうか。
普通は、どのデザイン案にするかを決定する際に、デザイン評価テストを行いますが、どんな方法で行ったのか、その結果がどうだったのか気になるところです。ライバル、あるいは近いカテゴリーの企業との比較評価をやらなかったのかもしれません。

スローガンは

手のひらに、明日をのせて。

キレイなフレーズだとは思いますが、抽象的です。ドコモがどこに行こうとしているのかよくわかりません。スローガンはともかく、「新ブランドステートメント」を,見ると、さらに情緒的で、何を言いたいのか、まったく伝わってきません。
 これからのドコモが目指すこと
それは、人と人、人と明日を、新しい絆でつないでいくこと。  
そのためにまず、
一人ひとりのあなたと、きちんと向き合い、関わり合うことからはじめます。

昨日までできなかったことを、次々とかなえながら
それぞれが今、いちばん必要としていることに、真っ先に応えること。
そして、あなたが生きていく今日を、明日を
 もっと気持ちよく、もっとあなたらしくしていくこと。

 ドコモは、一人ひとりの手の中で
その毎日を一緒に歩いていこうと思います。
そして、あなたを自由な明日へと導く、新しい扉になろうと思います。

いつでも、どこでも、あなたと明日をつなぐために。
その手のひらから、限りない可能性を広げるために。

ドコモショップの人が、このステートメントを空で言えるか試したくなりますが、まあこうやってブランドの立ち位置をぼかしておきたいというのは、NTT官僚のDNAなんでしょうか。もっとシンプル、明快に立ち位置を示さないと、玉虫色ドコモ、いつまでたっても親方日の丸ということになります。

ドコモにとってはドコモはまだ王者のブランドだという自負があるでしょうが、もう人々にとっては、ワンオブゼムのブランドでしかなく、もっとソフトバンクやauとの違いを感じさせてくれないと魅力を感じません。煮つめの不足を感じますし、このブランディングをどこが仕掛けたか知らないですが失敗ですね。

ブランディングは、以前にも書きましたが、コミュニケーション、ビジネスモデルとマーケティング、経営基盤の三つの次元で考えないとうまくいきません。このニュースリリースを見てもそんな戦略的な変革を進めていこうという志が伝わってこないところが寂しいですね。どの会社でも成り立つようなドコモ宣言というのがあります。悪くはないけれど、経営の教科書から借りてきただけという印象を受けます。
【新ドコモ宣言】
1. ブランドを磨きなおし、お客様との絆を深めます。
2. お客様の声をしっかり受け止め、その期待を上回る会社に変ります。
3. イノベーションを起こし続け、世界から高い評価を得られる企業を目指します。
4. 活き活きとした人材で溢れ、同じ夢に向かってチャレンジし続ける集団となります。
新しいドコモブランドについて


「★さて、そろそろ反撃してもいいですか?DoCoMo2.0」という前代未聞の馬鹿げたキャッチフレーズで広告を展開し、顰蹙を買ったばかりか、実際にはシェアダウンしてしまい、反撃どころでは無かったドコモですが、またなにかよくわからない自己陶酔のフレーズとありきたりなロゴタイプで滑ってしまいそうです。
>>どうぞ反撃してくださいね。お手並み拝見

このニュースに引き続き、あっと驚くような新技術とか新しいサービスを発表しないとちょっとなにのためのデザイン変更なのかが見えてきません。またもやお手並み拝見ということでしょうか。

これを書いているときに、テレビからソフトバンクの「年間純増NO.1」というCMが流れていました、「ありがとう」というメッセージが、どうも、お客さまに対してだけでなく、ドコモに向かって言っているような気がしてしまいました。

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