以前、年金積立金の運用について書いたところ、「貞子ちゃんの連れ連れ日記」さんからいろいろ教えていただきました。年金積立金の運用といいますが、実際には年金の積立金というよりは国債や財投債で借金をして運用しているそうで、「年金積立金管理運用独立行政法人」という天下りの特殊法人がやっているのですが、あまり世の中に存在が知られていません。
年金積立金管理運用独立行政法人

その「年金積立金管理運用独立行政法人」は、グリーンピアや年金住宅融資などで年金を投入し年金に多額の穴を開けた厚生労働省年金局の年金福祉事業団から、横滑りのさらに横滑りでつくられた団体だというとちょっと危なっかしく感じますね。社保庁をスケープゴートにして罪をかぶらせちゃっかり生き残るしぶとさはさすがに厚生労働省の官僚ならではといえます。「貞子ちゃんの連れ連れ日記」のこのエントリーがかなり詳しいので、そちらをご覧ください。
公的年金の運用は危ないか?へのお答え

さて、昨年まで、この「年金積立金管理運用独立行政法人」の運用によって、運用益がでていたのですが、サブプライム問題の激震、世界同時株安が影響してきており、平成19年度の第二四半期から損失がではじめています。3月に発表された運用実績で、二期連続で運用の損失がでており、第三四半期間までで19年度累計で7900億円の損失が発生しています。しかもよくわからないのは、運用リスクが高まってきたにも関わらず、市場での運用資金が増加してきているということです。
19年度第3四半期運用状況(PDF資料)

もちろん運用が常に黒字というわけにはいかなくとも、黄色信号があきらかに点滅しはじめている状態かと感じます。これまでは、株高によって運用益がでていたから問題にならなかったのでしょうが、おそらく現在の株などの推移から推察すると、19年度の第四四半期に収益が改善されることは覚束なく、1兆円程度の損失となっても不思議ではありません。

いったい、この赤字はどこにいくのでしょうか。おそらく年金に回るのでしょう。ほんとうにこの特殊法人に資金を運用する能力があるのか、またいったい誰がこの特使法人のやっていることを評価、査定しているのか、よくわからないままにツケだけ回ってくるということでしょう。普通で考えると、資金運用の素人でしかない天下りの役人に90兆円を超える資金の運用を任せるというのは、あまりにも無謀だと感じます。

社保庁のあまりの杜撰さに、そちらにどうしても目がいってしまいがちですが、厚生労働省そのもの、その天下りの特殊法人をもっと監視していかないといけないと思うのですが、なにせなんとかしないといけないという気持ちだけが空回りして、実務のチェックがまったくできない舛添大臣ですから期待するのが無理というものでしょうか。

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