まだ全容がわからない段階から、ネットで話題になっているのが、自民党と民主党がそれぞれ、18歳未満の青少年に対する有害情報に対してフィルターをかけるといった法案が今国会で提出されようとしていることです。

この件でCnetに記事があり、自民党案の一部が紹介されています。またパネルディスカッションでこのテーマが取り上げられています。パネラーですが、ちょっと長くなりそうなので、こちらに書かせてもらいます。

日本のインターネット産業に大きな節目?--自民と民主が重要法案を準備
インターネット規制法案をどう読むか?(パネルディスカッション)

記事にある自民党の法案の一部は以下の内容です。
この法律は、インターネットにおいて青少年の健全な成長を阻害するおそれがある情報が流通し、青少年のインターネット利用の良好な環境を整備する必要性が生じていることにかんがみ、インターネットを利用して青少年により青少年有害情報が閲覧されることを防止するための措置等を講じ、もって青少年健全な育成に資することを目的とすること。
またCnetの記事によれば、内閣府に「青少年健全育成推進委員会」を設置し、この委員会が有害情報の基準を定め、性や残虐性、犯罪、自殺、売春、心身の健康、いじめ、非行などに関連する6つの情報について規制するのだそうです。

ちょっとこのアプローチに戸惑いを感じるのは、子供の保護という誰も反対しない理由によって、インターネットというメディアに絞った規制の網をかけようという点です。具体例を挙げてみましょう。

たとえば、テレビでこの法案をまとめる中心になっている高市さなえさんが出てきて、子供のいじめの問題で、特定の子供の悪口をあげつらった裏サイトがつくられ、匿名であるがためにどんどんエスカレートしていく、とか酷い写真まで掲載されているといったことが例にあげられていました。この状況をなんとかしてあげたいと思うのはネット市民だって同じ思いでしょう。
しかし、考えて見れば、たしかにインターネットによっていじめが陰湿化したり、増幅するということはあっても、根本のいじめに対する人権問題が根本にあるはずです。ネットを規制したところでいじめが解決するわけではありません。
いじめという問題に被害者が対処する、いじめから法的にも保護を受ける法案ならわかります。そのなかにネットの業者は被害者や教育現場からのクレームに対して、サイト閉鎖を含めた対応をする必要があるといった法案なら理解できます。
それをインターネットの「有害情報」という、基準が不明確で、つまりいくらでも解釈を広げることのできるところからアプローチするというのは無理があるように感じるのです。
いじめの問題解決なのか、けしからんと高市さんたちが感じるインターネットに対する問題解決なのかがよくわからないということです。
まあ、もう少し様子を見るとしても、もっと限定的に問題をたてていけば、日本のネットの中国化の恐れはなくなるはずです。目的は正しくとも、アプローチを間違うと、大変な悪法になってしまいそうです。
それよりはそろそろネットの業界も大人の段階に入ってきているわけだから、ネットの素人の政治家に任せていないで、ネット被害の相談窓口ぐらい設置したらどうかと思いますね。

映画「靖国 YASUKUNI」で稲田朋美衆院議員が、どう考えても政治圧力としかうけとれない事前試写を求め、それが顰蹙をかいました。弁明の機会をつくったサンデープロジェクトへの出演を拒否したというのも醜態で、政治家として潔くないというか無責任さを感じます。言論の自由を軽く扱いすぎるという風潮が政治家の中にあると感じるだけに、短絡的なネット規制にならないように、慎重に考えてほしいものです。
ちなみに池田信夫ブログ、とくにこのエントリーの中のコメントで、池田さんと小倉さんの議論が参考になると思います。
ネット規制を競う自民・民主・総務省(池田信夫ブログ)

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