スターバックスが一昨年に店舗数を1万2千店から4万店に増やすことを目指すという構想を旗揚げし、店舗拡大に走りましたが、早くも拡大路線が破綻し、店舗の整理と原点帰りともいえるサービスの見直しを始めたようです。
もともと急激な店舗拡大は、スターバックスの高いランド・イメージを損ねる危うさがありました。スターバックスのブランドのパワーを失ってしまってはスターバックスは成り立たず、当然ブランディングを軸に据えた戦略が重要になってきます。
>>そんなにスタバを増やしてどうするの?

それこそ吉兆の創始者が、屏風も店も広げすぎると倒れるという家訓を残していますが、それはスターバックスのような大きなブランドにとっても同じ事かもしれません。ブランド価値は、需要と供給関係で、需要>供給という関係を保てなければブランドの神話も崩壊します。
昨年の春、スターバックスのコーヒーよりマックのコーヒーのほうが美味しいというアメリカの消費者情報誌が調査結果を出したということも影響したのか、売り上げが落ち、赤字店100店舗を閉鎖し、6000人を解雇する方針を打ち出すという事態にまで追い込まれたようです。
そういったリストラの断行だけでなく、米スターバックスは2月25日に店舗を夕方5時半から8時半の3時間閉鎖して、味とサービスを改善するための大規模なトレーニングイベントを行うというサービスの見直しを行ったことが話題になっていました。
>>スターバックスのメッセージは伝わらなかったのか?「3時間の閉店騒動」のその後

そして、これまでセンターで挽かれた真空パックのコーヒーを使っていたのを、各店で豆を挽くようにして、店の中を香りをただよわせるようにしたことが、5感によるブランディングとして海外のブログで紹介されていました。
さあ膨張してしまい、ブランドの神話が崩れてしまったスターバックスが、いわば原点に戻ってブランディングをやりなおしているという姿が浮かんできますが、さて効を奏するのかどうかが注目されるところです。

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