円高という言葉がニュースを飾るとふっと疑問に感じてしまいます。確かにドル安、アメリカ売りが加速してきたようです。ついに1ドルが90円台になってきました。専門家ではないですが、この間にリスクを回避するために円買いが進んだという報道はあったものの、為替レート面での対外競争力を見る日銀の「実効為替レート(名目・実質)」では未だに基本的には円安傾向にあり、ドルの単独安という状況ではないでしょうか。日経通貨インデックスでも同じような傾向と言います。素直に円高とはいえないようです。
「実効為替レート(名目・実質)」の解説

そういえば、かつてはもっと円が高かった時期がありました。1995年の春には瞬間であれ、1ドルが80円を切るという事態が起こったという記憶があります。そのときに言われたことですが、急速な円高は輸出産業にとっては打撃になります。為替の差損で利益が飛んでしまうからです。
しかし長期的に見れば、価格だけが輸出を左右しているのではないので、1995年当時も輸出は減らなかったはずです。逆に輸入品の価格は下がるため、その恩恵もあり必ずしも悪いことばかりではありません。だから騒ぐな、危機ばかりを煽るなということでした。
かつて80円台まで跳ね上がった円高当時と比べると、貿易での対アメリカ依存度は現在よりもはるか下がっています。当時はアメリカが最大の輸出相手国でった。それが現在では、貿易の最大相手国は中国で、リスクは分散されているのじゃないかと思ってしまいます。もちろん中国貿易の中味は中国を迂回したアメリカへの輸出ということもあるでしょうが。
それよりも、ドル安で、輸入原材料、とくに現在高騰している小麦や飼料などは価格が下がるはずです。それに、日本が基本的には円安であり、韓国や台湾、中国から買い物客で賑わっていたり、どんどん土地が買われていっていますが、アメリカが国全体でバーゲンセールに入ってきているので、それを絶好のチャンスにする人たちもでてくるでしょう。
いずれにしても、先進国で輸出頼みというのは日本ぐらいなもので、ドル安を契機に内需を高めていく方向にむかっていく動きがでることのほうがはるかに重要じゃないでしょうか。

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