ドワンゴが、在京キー局6社に、ニコニコ動画にアップロードされた著作権侵害の動画はすべて削除すると申し入れたことが話題になっています。
一方で、「ユーチューブ」を利用した広告配信事業を行っている角川デジックスの福田正社長のように、投稿動画サイトの動画は、ファンが好意で「宣伝」してくれていると考えるべきという考え方もあります。
角川デジックスの福田正社長の大人の対応、ドワンゴの対応が直球勝負と対照的で面白いですね。
>>「らき☆すた」売れまくったのは 違法投稿が「宣伝」してくれたから(J-CASTニュース)
>>角川デジックス 代表取締役社長 福田正氏インタビュー「Googleと組んだのは黒船だから」(前編)

著作権侵害か、ユーザーが自主的にやってくれている宣伝かということですが、放送局としては、宣伝効果があったとしても、公式的には、著作権侵害のタテマエを主張して、あくまで主導権をとっておきたいというのが本音だと思います。
YOUTUBEを運営しているGoogleが、確か昨年に著作権保護と監視を行えるシステムを構築すると発表していましたが、それでテレビ局側に判断をゆだねるという方向に動いているのもそういった事情を読んで、放送局の自主判断に任せるということだと思います。これも大人の対応です。
ドワンゴの場合は、かなり思い切った判断です。さすがに若い。裏になにがあるかは知るよしもありませんが、もう宣伝させておげないよということでしょうか。いずれにしてもボールは局側に投げられたカタチになりました。
迫られた放送局がどういう態度にでるのか興味のあるところです。まだ、それほど深刻な状況とも思えませんが、いよいよ放送局も将来を含めネットの宣伝効果、つまり共存について考えなければならない時期がやってきているということではないでしょううか。
きっと放送局もネットが番組の宣伝効果につながっており、将来さらにその傾向が強まるだろうということぐらいは分かっているでしょうが、ただ拙速的に対応すると、崩れた一角が無原則に広がっていく可能性もあり、その事態を恐れ、タテマエを一応貫いて、曖昧にしておきたいところでしょう。そうなると無視ということですね。
ドワンゴの著作権侵害の動画を削除するに下手に反応すると、これからのネットのさまざまなサービスに対しても原則を貫かなければならなくなってきます。これも微妙です。
放送局は、いわば携帯による電波利用などと比べると、ただ乗りに近い電波利用の状態で独占を行っており、さらに著作権を盾に放送の利権を守るという考えでしょうから、降りかかる火の粉を避け、あとは「あくとびら」のような家電と組むとかでお茶を濁しながらテキトーにやっていいのかもしれません。それ以上を局に求めるのは無理のような気がします。

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