三浦和義容疑者が万引きで逮捕された時は、若い人たちにとってはなぜ万引き程度でテレビ報道されるのかと不思議だったと思うし、その事件も記憶にも残らなかったのではないかと思います。
しかし三浦知義容疑者を巡る一連の事件を知っている人たちからすれば、あのロス疑惑事件の渦中の人が万引きという小さな事件で逮捕されたことは驚きであり、今回の逮捕劇よりも意外性があったかもしれません。

さらに、26年余り前の事件で、三浦和義容疑者が米ロサンゼルス市警によって、サイパンで逮捕されたことは、逃げ切れば無罪になる「時効」という日本の不思議な制度がアメリカでは成立しないということを見せつけたように感じます。日本がなぜ殺人事件などの犯罪にいまだに時効を残しているのか理解に苦しみます。

三浦和義容疑者は、日本で妻の一美さん殺害の容疑で逮捕されますが、無罪を勝ち取り、代表的な冤罪被害者のひとりとして取り上げられるようになりました。しかもご本人は獄中で法律の勉強を相当したらしく、弁護士を立てずに裁判をおこなって、三浦和義容疑者に対するマスコミの報道などを名誉毀損などでつぎつぎと裁判を起こして勝訴していったという凄腕でした。
またご本人の裁判だけでなく、裁判に対する支援活動をしていたらしく、元の職場の不正を内部告発をして処分を受けたことを不服として訴訟を起こしたジャーナリストの若林亜紀さんがテレビで取り上げられた際に、三浦和義容疑者から電話がかかってきたそうです。
>>三浦和義さん逮捕

「ロス疑惑」事件について、ほとんど知らない人のほうが多くなってしまったと思いますが、おおた葉一郎さんが簡潔にまとめてくださっていますので、ぜひご覧ください。「ロス疑惑」事件は、三浦和義容疑者の周辺の人たちが犠牲となる、ジェーン・ドゥ88事件、妻の一美さん殴打事件(殺人未遂)、一美さんが殺害されるロス銃撃事件3つの事件が連続して起こったということです。
>>ロス疑惑を構成する三つの事件

うかつなことは言えませんが、一美さん殴打事件は、三浦和義容疑者が殺人を依頼した中国人女性の証言があり有罪となりました。当時の状況としては、ロス銃撃事件は冤罪というよりは、証拠が不足しており、有罪に出来なかっただけだと感じた人が多かったのではないでしょうか。
容疑者も犯人も見つからなければロスアンゼルス市警も打つ手はないでしょうが、その後、ひっそり暮らすのならいざしらず、人権派として活動する三浦和義容疑者をロスアンゼルス市警が快く思わず目をつけていたとしてもさほど驚くことではないように感じます。
さて、どのように今後が展開するかは分かりませんが、日本と米国の法律や裁判制度の違いを見せつける事件になるように感じます。

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