図解よくわかるこれからの市場調査―なるほど!これでわかった (DO BOOKS)

長年おつきあいしており、仕事でもお手伝いいただいてきた友人の指方さんが本を出されました。同文館出版の得意とする「なるほど!これでわかった」シリーズの「図解よくわかるこれからの市場調査」とう本です。市場調査の現場をひたすら歩んできた大ベテラン指方さんらしい内容ではないでしょうか。

市場調査の世界も、インターネットの普及で、厳密なデータの信頼性にこだわる必要のない調査ならウェブ調査によって、低価格化と迅速化が進んだのですが、実際にはどのような調査が必要なのかの変化のほうが大きく、どんなことを、どんな方法で調査すれば、そんなアウトプットが得られ、またそれから何を読み解けばいいのかという流れを俯瞰できる能力が求められているように感じます。
今日は、さまざまな市場が成熟し、商品をどう改善するかではなく、むしろどうすれば創造的に価値を生み出すことになるかに焦点が移ってきていますが、そうなればなるほど、ユーザーの人たちすら気のついていないニーズを発見したり、マーケティングのヒントとなるサムシングを発見する想像力や感性が求められてきます。そうなればなるほど、ひとつの調査だけで成功の鍵を得ることが難しくなってきていることはいうまでもありません。
そういえば、今はまさに受験シーズンですが、このシーズンになるとKitKatが売れます。これはKitKatが『きっと、勝つ』に聞こえるから縁起がよく、合格を祈願した商品になっていますが、以前、神戸大学の現代経営学研究所が出している『ビジネス・インサイド』のワークショップで以前取り上げられていました。
KitKatで「ブレイクの体験」を売ることを追求していたさなかに、そういったお守りとして使われているということを聞いて、お客さま情報を調べると、そういった声が確かにあって、これだと確信して、受験生の宿泊するホテルと提携したりしながらさまざまな活動を展開して成功したというのです。
これらは調査の一連性、あるいは連続性と名付けるべきかもしれませんが、問題をたて、消費者を観察し、なにが鍵になるのかを探求し続けていたから、感度の高くなって、些細な事も見逃さなかったということでしょうか。
どのようなアクションをとればどのような情報が得られるのかというインデックスが頭のなかにあることで、この一連性なり連続性を効果的に追求していくことができますが、それを知るには相当の経験が必要ですが、そんな経験がなくとも、この指方さんの「よくわかるこれからの市場調査」をデスクの横に手引き書として
置いておけば、ずいぶん役だってくれるものと思います。
すくなくとも、こんなデータってあるのだろうかとふっと思ったときに、この本とインターネット検索があれば、かなりの情報入手の方法はわかるはずです。調査で気をつけないといけないこととか、調査の常識が手に取るようにわかるので、調査会社泣かせの本かもしれません。

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