昨日は、つなぎ法案が突然取り下げられたり、中国産餃子に農薬が検出されたとか、サッカーでオシム監督が姿を見せジャパンが勝ったとかと騒がしい一日でしたが、ハンドボールのオリンピック予選の韓国選のフィーバーぶりには驚かされました。サッカーはいい感じの勝利でしたが、ハンドボールのほうは韓国に敗れまことに残念でした。

さて理不尽な審判の判定で予選のやり直しがあり、さらに筋肉番付で宮崎選手が脚光を浴びたこともあって、ハンドボールが俄然脚光を浴びたわけですが、きっとテレビを見て、はじめてハンドボールを見た人、そして競技に魅せられた人も多いと思います。

実は兄が高校と大学でハンドボールをやっていたこと、またご近所に、ハンドボールのオリンピック選手がいらっしゃったこともあり、昔はなんどかゲームを見に行ったことがあります。実に激しくダイナミックな競技で面白いスポーツです。その頃はハンドボールもテレビ中継もありました。

今の若い方には想像もつかないと思いますが、かつてはハンドボールに限らず、テレビのスポーツ中継が現在とは比較にならないぐらいたくさんありました。しかし、いつの間にかテレビからアマチュアスポーツの中継が激減します。とくにハンドボールのような競技人口の少ないマイナースポーツといわれる競技はテレビからほとんど消えてしまいました。

同じマイナースポーツといわれるアメリカンフットボールは、まだましなほうかもしれません。NHKBSがNFLのゲームを深夜にやっていたり、GAORAでXリーグのほとんどの試合が放送され、大学のゲームでも、大きなゲームは深夜に録画中継があり、また大きくニュースで取り上げられます。しかし、ハンドボールは気の毒なことにニュースですら小さく試合結果が報じられるだけで、ほとんど取り上げられなくなりました。
世の中は皮肉なものでプロボクシングも、現在のほうが日本の世界チャンピオンは多いのにその頃はテレビでしょっちゅうやっていました。
鶏が先か、卵が先かということになるかもしれませんが、テレビからスポーツ番組が減ってきたのと、若い人たちのスポーツ離れ、競技人口の現象も同時に起こってきました。きっと関係があると思います。

放送局が公共の電波だとすると、もっとスポーツを取り上げ、アマチュアスポーツの振興に貢献してのいいのじゃないかと思うのですが、それが視聴率を競いあう番組構成となり、アマチュアスポーツの番組が犠牲になってきたことは、残念でなりません。

しかも、かつてテレビ文化を、「一億総白痴化」とタブーを使って批判した大宅壮一の予言通り、どこを見ても同じタレントが同じようなバラエティをやり、さらにやらせなどの発覚が起こってくると、「一億総白痴化」というよりは「テレビ局の白痴化」にも感じてしまいます。

お互いの競争関係もあるでしょうから、自主的にスポーツ中継を増やすことは難しいかもしれません。それこそ政治からの誘導が必要じゃないでしょうか。乱暴な話かもしれませんが、たとえば総務省と文部省とが連携して、スポーツ番組を一定時間以上流さないと放送免許を与えないといった最低限の番組枠の割り当てをしたらどうでしょうか。そういう規制は大いに結構なことだと思います。

そういえば、テレビは地方局がキー局の番組を流すことで、キー局から波代を受け取るしくみになっていますが、それも地方局の体質の弱体化を招いています。テレビ朝日がシンボルマークを変えましたが、変えるべきはシンボルマークではなく、局の体質じゃないかって悪口のひとつもいいたくなります。
そちらも地方局の一定以上の比率で番組制作を行うことを義務づけすればいいですね。そうすれば、もっと豊かな情報コンテンツが生まれ、地方の情報発信力も高まってくるように思えます。その延長線上に製品ではなく、文化を売っていく日本の明日が見えてくるのじゃないでしょうか。まあ、それはテレビよりはインターネットに期待した方がいいのかもしれませんが。

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