昨年春に、「さあ、反撃していいですか」とわけのわからないことを言って、しかも泣かず飛ばずで顰蹙を買ったドコモが、年末の905iによる新製品攻勢と、総務省から後押しされ、ソフトバンクに追従するカタチで導入した割賦販売で一気に復活しています。
あのDocomo2.0のキャンペーンはなんだったのでしょうね。タイミングといい、内容といい、恐らく類い希な愚かなキャンペーンの一つとしてマーケティングの歴史に刻まれるのではないでしょうか。

新製品は、特徴があるというよりは結局は機能をスペックにすべていれたというもので、いずれは陳腐化するでしょうが、新料金制度の影響のほうが大きく、これで、しばらくは市場の圧倒的なシェアを持つドコモが顧客を囲い込むことになります。
そろそろ通信のほうはアプリケーションに主役を奪われ始め、コモディティ化してきており、どんどん料金が下がる段階に向かってきていると思うのですが、それも競争があってのことです。どんどん競争していだだかないとユーザーとしては困るのですが、残る二社はどうでしょうか。

しかし残念なことに、ナンバーポータビリティが始まって最も勢いのあったauですが、ちょっと厳しくなってきそうです。FACTA12月号(有料)に詳しい記事がありましたが、これまでの勢いは、3Gへの移行で先行したこと、さらに機種コストが他のキャリアよりも安くついていたことが競争優位に働いていたのですが、この競争エンジンが崩れます。これらはすべて、CDMA2000方式を採用したことによるのですが、2012年に向けて携帯の周波数帯の引っ越し準備を行う際にそれが仇になってきます。これまでの既存の設備ではこの引っ越しができず、設備投資が他のキャリアよりも大きくなってきます。また次世代方式への投資も含め、それらが毎年1兆円単位の負担となってくるともいわれていますし、携帯の機器コストもアップし、これまでの優位性がなくなります。


さてソフトバンクはどうでしょうか。ソフトバンクでニュース検索しても、昨年末にホワイトプランが1000万件を突破したという記事以外はほとんどが野球のほうの話題であり静かです。ドコモが新料金方式を採用して、孫さんは、これでソフトバンクの考え方が正しいことが証明されたとおっしゃっていますが、どんな次の手を打つのでしょうか。頑張ってiPhoneを獲得すれば、通信と機種の分離がはっきりして面白いことになりそうですが。

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