昨年、インターネットの流れをよく物語っている出来事がありました。セカンドライフブームをメディアや電通、また一部のネット企業がしかけ、当初はセカンドライフが新しい世界を開くという可能性を夢見た人たち、またそこで一儲けしようという人たちが熱い思いでセカンドライフの未来を語り、またそれに、ネットメディアだけでなく、新聞などの旧メディアまでが乗って話題をかき立てましたが、結局は不発に終わりました。

かなり早い時点で、このままではきっと詐欺など社会問題が起こる危険性も感じられ、その警告という意味でも、セカンドライフがブームになることはない、最初から終わっているのだと、セカンドライフに対する批判を書きましたが、そのことに対する反発もあり、ずいぶん厳しいご意見も頂戴いたしました。

事態が沈静化しほっとしていますが、セカンドライフがとんでもなくブレークするというあり得ない予測をやってしまったみずほ銀行が、セカンドライフの失敗をその機能やスペックにあると言い訳して、未だに「仮想世界」というサービスが伸びるという妄想を描いているのはもう救いようがないという気がします。
まあそういった予測はおいておくとして、新しい仮想世界のサービスをスタートさせてきている事業者があるそですが、柳の下の二匹目を狙うという執着には感心しますし、頑張ってくださいというしかありません。それでも地球は回っているというよりは、それでも宇宙が回っているということから発想をスタートさせるというのも
面白いのかもしれません。
仮想世界の黎明期--虎視眈々とチャンス狙う国内サービス事業者たち

ネット上の「仮想世界」のサービスというのは、機能だけでなく、もともとの考え方の極めて中途半端というか、発想が古めかしい感じがします。「仮想世界」のサービスなら、SONYや任天堂のゲームに任せておけばいいのです。そちらからの発展なら、まだまだありそうな気がします。なぜなら、セカンドライフで共有できる体験は浅すぎるというかコンテンツとして貧弱ですが、ゲーム機の世界は遙かに濃い体験を共有できる潜在力を持っています。コミュニケーションに軸足を移すなら仮想世界というめんどうなものは必要有りません。

むしろ、ネットの世界が向かっているのは現実の社会、個人の生活のコミュニケーションのインフラとしてどんどん便利にしていこうという流れです。日本ではまだホットな展開になっていませんが、FACEBOOKとMySpace、さらにGoogleも参戦してきたオープンSNSプラットフォームの覇権を巡る競争もその流れと見ることができるのではないでしょうか。

ソーシャルメディアが、ユーザの人たちの社会関係や生活の現実に根ざせば根ざすほど、どんどんきめ細かいサービスが生まれてる可能性がありますが、さまざまなサービスが共通した一つのプラットフォームで展開されたほうが、そういった可能性が引き出せます。IDが共通して使えるというだけでもかなり便利になりますね。

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