ビルマ

東京や大阪など、日本の各地で在日ミャンマー人を中心とした人たちによる軍政府への抗議集会やデモが行われましたが、西オーストラリアの州都パースでも協会の前で抗議の集会をやっていました。

ミャンマーの不幸というのでしょうか、複雑な問題を抱えた国です。そもそもミャンマーというのは今の軍政府が名乗ったのですが、ビルマというほうがしっくりしますし、今でも軍政府を認めていない欧米ではビルマと呼んでいます。

さて、この僧侶によるデモも、もともとは燃料の大幅な値上げに抗議する僧侶のデモだったはずでしたが、スーチーさんと接触した時点から一挙に、反政府デモになってしまったようです。

だから軍政府も強行な鎮圧に向かってのでしょうが、デモ鎮圧のために発砲して多数の犠牲者を出しただけでなく、映像ジャーナリストの長井さんも射殺されてしまったことで一挙に国際問題となり、軍政府は最悪の危機を迎えることとなってしまいました。

さてこの軍政府ですが、ネットの掲示板の書き込みを見ると、中国が軍政府を支持し、また軍事、資源外交で最も近い関係にあるために、あたかも軍政府が中国と同じ社会主義政権だと勘違いしている人もいますが、1988年に社会主義政権を打倒して生まれたのが今の軍政府ですから、ことは単純ではありません。
共産主義勢力の残党、さらにミャンマーに逃げ込んだ中国国民党の残党、国境周辺の少数民族などが入り乱れ、不安定さを背負った国で、今でも、タイ国境には反軍政民族武装勢力が存在し、ミャンマーを牽制するタイ側が支援しているといった問題も抱えています。下手に介入すると紛争の火種が広がるかもしれません。

いずれにしても、軍政府、民主化勢力の両方にパイプを持ち、民間ベースでは投資も行っている日本ですが、ちょっと軍政府とは距離を置かざるをえなくなってしまいました。

バナー←いつもクリックありがとうございます