小規模のオフィス向けコーヒーというと、無償でコーヒーサーバーを置き、あとは消費したコーヒーを補充していくことで収益をあげる、ビジネスモデルでいうインストールモデルの典型例です。複合機などのように、機器は徹底して安くしておき、機器をいったん納品してしまえば、あとは自動的にインクなどの消耗品で利益がえられるのと同じです。

ただこの世界は、複合機のように初期費用がかかるわけではないので、ユーザーにブランドを切り替えさせる営業が盛んです。
つい最近も、感じのいい女性がそのコーヒーの営業にきて、デモンストレーションでコーヒーを入れ試飲させてくれたのですが、最初のコーヒーが香りも味もなく、これは駄目だということになりました。熱心な彼女は、ではもう少し濃いめの豆に変えてみるということで2杯目を作ってくれたのですが、こちらもただ濃いと言うだけで、香りもコクもなく、いかに現在利用しているコーヒーが美味しいかを再認識する結果となってしまいました。まったく逆効果です。

大人数のオフィスなら、安いということでスイッチさせることができたとしても、少人数のオフィスの場合、そう大きく単価に変わりなければ、やはり味を優先させます。もし、そういったケースを予期して、味で勝負するコーヒーを、彼女が持っていれば営業が成立していたはずです。きっと同じぐらいの味のものでも、彼女の熱心だとか、サーバーが新しくなるとかの理由で切り替えに成功していたかもしれません。
そういった作戦や提案の切り口は、そのセールスの女性が用意できる範囲をきっと超えているものと思います。営業力とは、セールス一人一人の力だけではないといういいケーススタディになりました。

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