産経新聞がグーグルの新サービス「ストリート・ビュー」を記事にしたことはさすがだと思いますが、「プライバシーの侵害ではないかとの批判が強まっている」とはね。そんな風に記事をもっていったというのはなにか意図があったのでしょうか。
グーグル新サービス批判 不穏当な場面 水着で日光浴、丸見え 

それとも、fareasterさんが
「石を投げつける相手を探して」で、「近年どうも報道のスタンスが『事実を伝える』ではなく、欲求不満をぶつけるような感じになっているように思えます」とご指摘のような傾向のなせるわざでしょうか。あるいは情報収集が不足というか杜撰だったということではないかと思います。
ところが、利用者がこのサービスで街角を精査してみると、穏当とはいえない場面や、プライバシーの侵害すれすれの場面が次々に見つかった。
 サンフランシスコ中心部では、ビキニ姿で日光浴を楽しむ若い女性の姿も見つかった。
 また、さくを乗り越えてアパートに入ろうとしている男が写っていた。ネット上では、このサービスで映し出された風景から面白い場面を拾い出したブログなども始まり、人気を集めている。
 画像は、グーグルの撮影隊によって撮影されたもので、プライバシー侵害との批判を避けるため、公共の道路からの撮影に限定している。
 しかし、公共の場といっても、芝生で日光浴している姿や、アダルトショップに出入りする姿を全世界に公開されてもしかたがないのか、という疑問が噴き出してきた。
ロスに滞在する記者の方の記事ですが、えっ、いったいどこで、プライバシーの侵害ではないかとの批判が強まっているとか、疑問が噴き出してきてるんですかね。
書かれているシーンは、ほとんどみんなこのブログで一昨日紹介したものだから、そう騒ぐほどのものでないことはおわかりいただけるものと思います。

確かにプライバシーが問題じゃないかと指摘している記事やブログもあったけれど、あまり深刻に考えているものはほとんどなく、よく読むとむしろ軽い乗りのジョークというか、むしろよくこんなシーンまで撮れているという驚きがほとんど。いずれにしてもストリート・ビューの機能に対して肯定的なものがほとんどでした。

素人が簡単に確かめられる時代
なぜそんなことがわかるのかと言われそうですが、この種のテーマは、どのような意見があり、世のなかの空気がどうなっているのかを確かめるのはそう難しくありません。これまでのようにマスコミの記事を頼るしかなかった時代とは違って、ネットで誰もが調べることができます。
調べ方はいろいろあるでしょうが、まずはDiggで”StreetView”で検索して、Diggのポイントの多いものからソートすれば、どのような意見の記事やブログに関心が集まっているかがわかります。
もうひとつは、テクノラティで同じく検索して、影響力のあるオーソりティの☆☆☆がついているレベルに絞り、あるいは☆☆レベルに絞って、要約のところをさっと流し読みすればおよその空気はわかります。そうやって見てみると、産経の記事にあるような「
批判が強まっている」とか「疑問が噴き出してきた」という空気はどこにもありません。記者はプロなのだからそれぐらいは確認しておいてほしいものです。

産経が取り上げたビキニで日光浴をしている女性の写真も、アダルトショップに出入りする人も、個人を特定できないものですし、なんといってもGoogleは検索の会社ですから、記事やブログに取り上げられたものは問題かどうかを確認しているはずです。
常識で考えても、Goggleが問題だと思っった写真をそのまま放置しておくわけがありません。実際、警官が事故現場にいて顔が写っていた写真なんかは、あっというまに消えていました。だから、記事やブログで取り上げられ残っているのはGoogleが問題ないと判断したものということでしょう。
ニューヨークタイムズがプライバシーの問題を取り上げたので、批判的な記事として目だっていますが、覗き見でありプライバシーの侵害だという人に取材した記事と同時に、Googlen側も取材し、公共の場所から誰もが見える画像を撮ったにすぎないから問題ないという見解と、またほとんどクレームもないとGoogleが言っていると報道しており冷静な記事です。
ちなみに、取材対象となった人は、ぼんやりと窓に猫が写っている写真でブログで取り上げられた家の人で、まったく問題があるようには感じられません。
>>Google Zooms In Too Close for Some

結構顔が写っている人もいるので肖像権の問題がどうなってくるかでしょうが、そこは訴訟問題のリスクを抱えたYouTubeも訴訟を織り込み済みで買収したGoogleです。その程度のことは想定の範囲内でしょう。
日本の新聞社にとってはネットも、Googleも疫病神みたいなものだから、そういうタイトルや記事内容になるのもしかたないのかもしれません。
あるいは記者の人はただ問題だと騒いで注目してほしかっただけのことかもしれませんが、つい最近、知人の人に産経新聞が面白いよなんて褒めていた矢先のことであり、ちょっと残念というか、この記者の人も、もうすこし粋な遊び心をもったらどうかなと思いますね。


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