孫さんが「予想外割 通話料 メール代0円」というボードを掲げて高らかに値下げの発表をやっているニュースが流れていました。やはりねという感じ。ナンバーボーポータビリティ制度がスタートする間際の出来事です。現在のSoftbankはシェアが9月末で16%で第三位。誰が考えてもナンバーポータビリティ制度でシェアが落ちる可能性が一番高いのはSoftbankということでしょうし、ドコモ56%、au35%、SBM9%になるという物騒な予測なんかもあります。 
Softbankが黙ってそんなことに甘んじるわけがありません。かなり用意周到に準備されていたプランなのでしょう。CMまで準備されていました。
上位2社は価格の秩序を守ってやってれば、儲けながらSoftbankのシェアを侵食できるわけですから、まあまあ紳士的にということでしょうが、Softbankの立場ではそうはいきません、
「やっぱり仕掛けた価格競争」という記事タイトルが物語るようにSoftbankが価格でチャレンジしてくるのは想定されたことであり当然でしょう。

Softbankの携帯を使っているので、ニュースを聞いたとたんにこれは朗報だと思いましたが、よくよく考えると携帯といえば発信はショートメール、電話はもっぱら受信がほとんど、あとはたまに新幹線予約とインターネット利用をするだけであまり関係ない話でした。
もっと普通の人を考えても、通話料、メール代無料というのはSoftbank同士に限られており、Softbankのシェアは16%ですから、Softbank同士で携帯のやり取りをするのも平均すればその程度になるだろうということです。携帯のARPU(一人当たり月間平均通信費)への影響をどの程度と見るかは、データがないとわかりませんが、アナウンス効果の大きさには案外小さいかもしれません。
現在(2006第一四半期)はDocomoで見ると、通信費の客単価にあたるARPU(
加入者一人あたりの月間売上高)はFORMAで8300円、Movaで5540円で両者を合わせた総合が6900円ですが、昨年度のボーダフォンの総合ARPUは5918円で見劣りがします。しかも他社が維持しているなかでARPUが下降傾向にあり、3G携帯の促進と、ヘビーユーザーの奪還をなんとしてでもが図ってARPUをアップしたいというところでしょう。ゴールドプランの月額基本料が9600円で創業祭キャンペーンの期間中に加入した場合70%オフという設定にその意図が感じられます。
このSoftbankの挑戦にDocomoとAuはどう受けて立つのでしょうか。しばらくは様子見かもしれませんが、「予想外割」の効果が出始めると本格的な価格競争が雪崩を打って始まるということも当然考えられます。

価格競争を仕掛けたSoftbankですが、気になるのはSoftbankがボーダフォンの買収に要したのは1兆7500億円です。このうち17金融機関から総額1兆2,800億円の短期借り入れを行っており、その後携帯事業を証券化して長期借り入れに切り替えたりしているというものの、その返済の負担は結構重いはずで、通話料を下げるということはSoftbankにとってはそうとう大きな賭けになりそうです。
まあ無難なことをやって、じわじわとシェア格差の劣勢が効いてジリ貧になっていくのに甘んじるよりは、ぎりぎりの経営で攻勢をかけるというのは孫さんらしさかもしれません。
きっと「予想外割」は最初の一歩にすぎず、まだまだ価格で仕掛けをやってきそうです。ボーダフォン買収時には携帯とIP電話との通信費のセット料金で割り引くことだってあるだろうともいわれていました。チャレンジする側としてはシェアの構造を変えるためには思い切った手段をとりたいと考えるのが自然です。
携帯、電話の通信費の価格競争時代がやってくるというのは利用者側としてはありがたいことですが、こういった価格競争がハードにも飛び火してくることは避けられず、海外ではどんどんシェアを落とし、国内の豊かな携帯市場で生きてきたメーカーも受難の時代がくることも予想されます。さあ、Softbankの参入とナンバーポータビリティ制度が火をつけた価格競争はどこまでいくのでしょうか。

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