2004年07月28日

失敗するトップの7つの習慣

『名経営者がなぜ失敗するのだろうか』という本があります。その中で、失敗するトップの7つの習慣が挙げられていました。読んでみると、それは経営者の問題だけではなく、失敗する組織が抱えている問題というようにも感じます。

自分だけが正しいと思いこみ、お客さまやファン、また社員や選手の声に耳を傾けない経営者はもう退いたほうがいいのです。



まずは、その7つの習慣をご紹介します。

その1 自分と会社が市場や環境を支配していると思いこみ、環境変化に対応しない。
その2 会社と自分を完全に同一視してしまい、公私混同してしまう。
その3 自分を全知全能だと勘違いする
その4 自分を100%支持しない人物は排斥する
その5 会社の理想像にとらわれ、会社のスポークスマンになりきろうとする
その6 ビジネス上の大きな障害を過小評価する
その7 かつての成功体験にしがみつく


これだけなら、「ふーん」ということで終わってしまいそうなので、いくつか書かれている内容をピックアップし、ちょっとアレンジしてみました。「経営者」を「会社の体質」と読み替えてみてもいいと思います。

その1 自分と会社が市場や環境を支配していると思いこみ、環境変化に対応しない。
これは、自分は優秀だという幻想に陥る危険性に触れたものです。そういった幻想にとらわれた経営者は、「周囲は自分の手足であり、道具に過ぎない」という奢りがあり、「周囲を脅かしたり、支配しようとする」。威圧的で、顔を真っ赤にして激怒したり、「無礼な」といった発言が典型的な兆候ですね。

その2 会社と自分を完全に同一視してしまい、公私混同してしまう。
会社と自分を同一視する危険性は、「『会社にとって』ではなく、『自分にとって』最適な判断」をしてしまいがちなことだと述べられてます。さらに自分の敵は、会社の敵という勘違いをしてしまいます。酷い場合は、社内のライバルが会社の敵にすら思えてしまします。
日産のゴーンさんが「ミスター・ダットサン」と呼ばれた米国日産初代社長の片山さんを、フェアレディ復活の発表会に招待しました。これは日産の社員の人たちには衝撃的だっと思います。これで「日産は変わる」という確信を持てたのではなかったでしょうか。片山さんは、デトロイトにある「 自動車の殿堂」入りもされている方です。片山さんは、アメリカ市場を切りひらいたという大きな功績があったにもかかわらず、なんと日産の社史からも抹殺されていたのです。社史からも、自分の敵は抹殺するという体質が、イエスマンの集団を生み出し、日産を蝕んでいった大きな原因でした。ゴーンさんの演出は見事でした。

その3 自分を全知全能だと勘違いする
その4 自分を100%支持しない人物は排斥する
確かに、ある時期に大きな成功をした経営者は非凡な才能や能力の持ち主です。しかし、心のなかにまで染みついた自らの成功体験から抜け出して、新しい時代に適応した判断をくだせなくなる場合があります。それは、あまりに大きな成功を収めると、きっと自分は全知全能であり、それに比べて、まわりの人たちが馬鹿に見えてくるのでしょう。
また自分が全知全能だという思いこみが激しくなればなるほど「支配欲」が増してきます。そうしてやがて「裸の王様」になり、時代の変化、顧客の声も間違っていると錯覚しはじめます。自分では気がつかなくとも、自分を100%支持しない人物はどんどん排斥され、社内は恐怖政治がはびこりはじめます。「お客さま」ではなく「上」にしか目が向かない体質がどんどん蔓延してくるのです。社内からどんな意見があがってきても、トップの影におびえるマネージャーは、リスクを負うことを避け、「トップはこうおっしゃっている」の一言で握りつぶします。

その5 会社の理想像にとらわれ、会社のスポークスマンになりきろうとする
つねにマスコミや社会から注目を浴びると、そういった場にでることが仕事になっていきます。社業が次第におろそかになっていきます。自分がそうやって注目されることが、会社のステータスをあげ、PRになるという錯覚に陥っていきます。さらに財務報告書を、会社を管理するためにではなく、「イメージのツール」「広報の道具」にしはじめる傾向があると書かれています。特に、ベンチャー企業の経営者は気をつけた方がいいかもしれません。

その6 ビジネス上の大きな障害を過小評価する
これはいくつも例がありますね。資金さえ投入すればうまくいくとか、組織をつくれば解決すると考えたり、製品品質にすこし欠陥があっても大きな問題にならないといった錯覚して失敗を招く危険はつねにあります。特に、酷い場合は「顧客の声」があっても、顧客のほうが間違っているという、こんな声は無視してもかまわないということにもなりかねないですね。

その7 かつての成功体験にしがみつく
もうこれは説明する必要がないと思います。

さて、これをお読みになった皆さまは、どんな経営者や会社をイメージされましたか?その方やその会社は、いくつの習慣をもっていると感じられましたか?




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kinkiboy at 13:38│Comments(3)TrackBack(2)clip!経営 

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2. コヴィ博士「7つの習慣」を斬る:人生のシナリオ ミッション・ステートメントを書く  [ ビジネス快進撃 メールマガジン ]   2010年02月10日 19:34
あなたの人生の方向を見定め、人生の目的を持つために大きな効果をもたらす方法の1つに、「ミッション・ステートメント」というものがあります。人は「不変の中心」がないと変化に耐えにくいものですが、あなただけの不変の中心となるものがミッションです。即ち、ミッション...
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この記事へのコメント

3. Posted by 有楽斎   2004年08月07日 02:42
 私はこのエントリーを読んで、私たちは誰でもこうなってしまう危険?を内包しているのではないかと身につまされました。今だからこうした7つの習慣に対して「そんな馬鹿なこと考えてるやつっているのかなあ^^;」と笑い飛ばせますが、自分が同じ立場に立った時、果たして矜持を保てるかというと100%ないとは言い切れません。もちろん、そうならないぞという気持ちは持っていますが、「絶対にそうならない?」と尋ねられると、少し不安です。日本道路公団の藤井治芳元総裁が世間を賑わわせた一件がありました。私はこの人、面の皮が厚そうな人だなあと思ってテレビを見ていましたが、彼の小学生時代の写真がテレビに映されました。そこには純真無垢で明朗活発な様子の藤井少年が映し出されていました。それを観て私は思ったんです。誰でも立場が変われば同じことをする可能性がある・・・と。だからこそ今、矜持を保っていかなきゃなんないなと。大西さんのエントリーを拝読しましてそう考えました。気づきを与えて下さったことに感謝致します。

有楽斎
2. Posted by 奥様   2004年07月29日 13:55
  

「無礼な、」とおっしゃった方がツイ最近おられましたが。
 コウユウ方が 何れか隠居なんかされると どんな新しい人間関係をもたれるのか?
 「喪失感で、寂しい老後」が 待っていそうです。
 
 今をどう生きるか。人間として(職業は人生の1部ですから)どうありたいか?
 常に自問し、仕事としての成果とは別に良識があったか?といった自分を見つめ直し
 てもらいたいですね。真面目な人ほどストレスで押しつぶされそうでしょうが・・・。

 夫を観てると こんなに気を使って死んじゃうぞ。と 思ってます、本氏「性分」を
 持て余し「病気」予備軍みたいです。

 世界でただひとり私だけが、そんな彼を尊敬し見守っているんです。組織を支えているのは潜在的にいろんな人間がいる。そういった事もトップはこころえてもらいたいです。

  
1. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年07月28日 14:10
大西さん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

>その3 自分を全知全能だと勘違いする
>その4 自分を100%支持しない人物は排斥する

経営者の例を出されていますが、勤め人の場合、組織の上下関係で考えるとより実感できるような気がします。
自分に部下がいたとして、自分ができたことを部下ができなかったりすると、「何でこんなことぐらいできないんだ!」と怒ったりとか、そういうケースってけっこうあるんじゃないでしょうか。
おっしゃるように、上に立つ人ほど「聴く耳」を持たなければならないんだと思います。

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