ミサイルの発射から今回の北朝鮮の核実験にいたる北朝鮮の動きは、北朝鮮体制に危機的な状況が訪れており、いよいよ体制崩壊のカウントダウンが始まったかと思えるのですが、そんな事態に対する備えの議論もそろそろ始まるのでしょうか。
中国としては、米軍が駐留する韓国との国境緩衝としての北朝鮮をなんとか残存させたというのが基本的なスタンスであり、また金正日体制が崩壊すると、「難民・犯罪・貧困」の3点セットを抱えてしまうことになるので、生かさぬよう、殺さぬよう、つまり事を荒立てたくないということで一貫しています。
しかし、今回の北朝鮮の核実験に対しては、さすがに条件付ながら制裁を容認という立場をとらざるをえなくなりましたが、人民網日本語版で、外交部から「朝鮮核実験の中朝関係への影響」という発表が公表されており、そんなニュアンスがにじみ出ています。ちょっと苦しいなあと感じてしまいます。
朝鮮による核実験の実施は、中朝関係にマイナスの影響をもたらした。中国政府は一貫して、朝鮮との善隣友好協力関係の発展に尽力してきた。この政策は確固不動たるものであり、変更はない。中国は対朝関係の処理において、2つの原則に従っている。第1に、中朝双方の共通利益に合致すること。第2に、朝鮮半島と北東アジアの平和、安定、発展に有益であること。中国の関係部門は、朝鮮の核実験が引き起こし得る結果と影響に、細心の注意を払い続けている。これまでに中国の大気への汚染は確認されていない。
北朝鮮の暴走を許すと、オリンピックや上海での万博を控えている中国としては国際的な立場を失うので、言うことを聞かず暴走するヤクザな身内を抱えてしまった親の心境なのかと思えます。日本では報道されていないのかもしれませんが、一応中朝国境の人民軍は休暇禁止で警戒態勢に入ったそうですが、いい加減にしろよとすこしでも圧力をかけたい気持ちでしょうか。
中国の立場は読めますが、いまやまっしぐらにプーチン大統領の独裁国家化しつつあるロシアからの反応が聞こえてきません。いまは石油や天然ガスで潤っており、さらにドイツに天然ガスのハブ基地をつくってヨーロッパのエネルギー支配を着々と進めようというこの時期に、北朝鮮問題ではあまり得する話がないので知らん顔をしておくのが得策ということかもしれません。

こんなさなかに、国内ではこんな時期に中朝の対話が必要だという議論もあったそうですが、何らかの切り札を持たない対話というのは、この間に完全に破綻した韓国の太陽政策を踏襲しようということでしょうか。まあいろいろ議論することはいいことですが、ちょっと理解を得るのは難しそうです。

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