業界の垣根が崩れるということでしょうか。BBCのニュースによると、英国の食品小売業のTESCOがオフィス向け、セキュリティ、写真編集などの6つのPCソフトウェアパッケージの販売を始めるそうです。20ポンド以下の価格で発売するといいますから、日本のソースネクストよりは価格が高いようですが、伸びているソフト市場で高価格なパッケージソフトへの挑戦を行いたいということだそうです。
TESCOといっても、日本ではあまりなじみがありませんが、英国最大の食品小売業で小売業世界ランク5位の売上高をあげ、しかもいまだに二桁成長しつづけている優良企業です。
TESCOが躍進しているのは、多角化戦略とCRM戦略の成功だといわれています。その多角化戦略のなかには、インターネット事業への進出も行っています。プロバイダーサービス事業を展開するとともに、インターネット販売にも積極的で、食品以外の幅広いカテゴリーを扱っていますが、特にオンラインでの食品販売では世界一です。
音楽のダウンロードにも進出しています。
>>TESCO
またインターネットのプロバイダーサービス事業も展開し、携帯電話では、Virginとともに他社の回線を借りて事業展開するMVNO(Mobile Virtual Network Operator)に進出したことで注目されています。
そうやって見ると食品スーパーの巨人というだけでなく、IT通信企業という顔ももつTESCOですが、本業のほうでも、クラブカードの戦略で成功した企業としても知られています。
スーパーで発行されるクラブカードは、ほとんどが顧客の囲い込みを狙ったものですが、TESCOは顧客満足に照準をあて、単に年齢や住所といったデモグラフィックなデータを利用するだけでなく、クラブカードに蓄積されたデータから徹底した顧客分析を行い、どんなライフステージの人たちが、どんな購買行動を行っているかなどのデータから、お客さまがどんなクラスターの人たちに分かれているかという分析を行い、それぞれのクラスターの人たちがどのような提案を望んでいるかを予測し、それを売り場での提案に反映させたり、また効果的なクーポン券を発行することで、客単価のアップにつなげて成果をあげています。
日本でセブンイレブンが他のコンビニよりも情報システムで先行し成功した事例ともイメージが重なってきますね。
TESCOはアメリカへの出店を始めていますが、日本に上陸してくるという可能性もなきにしもあらずです。トイザラスやカルフールは日本市場で失敗し、またウォルマートもいまのところ泣かず飛ばずという感じですが、いつまでもそういう状態とは限りません。顧客を起点にビジネスを組み立ててくるTESCOのような企業が進出してくると、日本の小売業にとっての黒船になるかもしれません。

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