ブログやSNS、また口コミサイ、またRSSを利用したサイトなど、ひとりひとりの個人が書き込んで情報発信し、それが集積していくCGM(コンシューマー・ジェネレーシッド・メディア)がどんどん広がってきています。それを象徴するかのようにSNSひとり勝ちのMIXIが、ページビューで、ALEXAの統計では2006年に入って楽天を抜くという結果、またネットレイティングのパネル調査は家庭からのアクセスの統計ですが、それでも5月には楽天についで3位になりました。
こういった草の根がインターネットの本質的な流れでしょうし、またインターネットでしか実現できない世界ですが、web2.0として注目されブームとなり、それに乗ろうとしたサービスが雨後の筍のように登場してきました。
しかしそれらのほとんどは、広告以外にどうやって収益をとるのかというビジネスモデルが見えないのです。ページビューを上げていけば、広告収入も増えてなんとかなるさという楽観主義も、チャレンジャーのエネルギーを保つことになるのかもしれないですが、同時に胡散臭さがつきまとってきます。ブログを利用して、商品の口コミを広げようとする試みがいくつかでてきましたが、こちらのほうももうひとつも盛り上がっている気配がありません。どうもビジネスの視点から見ると、web2.0はきわめて危うい状況というのが実態でしょう。
人気抜群のビデオ投稿サイトであるYOU TUBEは、日本からの利用者がどんどん増えつづけ、ネットレイティングの調査では、ついに200万人を超えたようですが、こちちらのほうも、動画はとんでもなく回線の帯域をつかうので、利用者が増えれば増えるほど運営コストは膨大になり、まったく採算がとれていないといわれています。FPNの徳力さんの「YouTubeを支えているのはやっぱり資金力みたい」が参考になります。アメリカ最大のSNSであるMy Spaceはマードック氏率いるNews Corporationに昨年5億8,000万ドルの現金で買収されましたが、YOU TUBEもできるだけ高値で売ることを考えてやっているのかもしれないですね。写真SNSで有名なFlickrも昨年Yahooに吸収され、ソーシャルブックサービスの「del.icio.us]もYahooに買収されました。
ビジネスモデルを持っている、あるいは潜在的に広告以外にも稼ぐしくみがある企業の目玉のサービスとしては魅力はあるけれど、それ自体では広告以外のビジネスモデルをもてないというのが本当のところじゃないでしょうか。
日本のネット企業は、荒っぽく言うと、ソフトバンクの孫さんのタイムマシン経営というか、日本独特の特殊な市場である携帯ビジネス以外は、アメリカで成功したビジネスモデルを日本で展開して成功した企業が多いのですが、そのアメリカでもweb2.0企業ですら、検索サイトという広告ビジネスモデルにフィットしたGoogle以外はビジネスとして成功しているとはいえません。
株式上場して資金が手に入れば、なんとかビジネスを広げていけるという夢をもって、ドリコムに続くぞとばかりに、がんばっている企業もあるでしょうが、どうも雲行きが怪しくなりはじめています。ちょっと前までは株価が上昇傾向にあり、しかもweb2.0ブームということで注目されてきましたが、ライブドア上場廃止、また村上ファンド問題があり、ネット企業の株価が軒並み落ち込み、ファンドも及び腰のようでかなり環境的には難しくなってきていることは間違いありません。
アメリカのようにちょっと面白い技術を見せて、すぐ会社を売却し、その資金でまた次の会社を興すというような話ががでてくれば面白いのですが、まだ日本ではそんなダイナミックな動きはあまりないですね。
R30さんが、「Web2.0の終わり」という冷ややかなエントリーを4月にかかれましたが、ブログやSNSの利用者がいまだに増加しつづけているという状況とは裏腹に、ことビジネスではそんなお寒い状態といえるのではないでしょうか。
利用する側にとっては、別段それぞれのサイトで収益があがろうがあがるまいが、機嫌よく利用できている限りは関係ないわけですが、収益が得られない以上、サイトの維持や拡大は困難になり、やがて頭打ちになってきます。広告収入でなりたつというサイトは、よほどメジャーなところでないと無理でしょうし、やがて激しい淘汰の波がやってくることは容易に想像できます。
まあしかし、これだけチャレンジする企業がでてくると、やがて広告以外の切り口のビジネスモデルを発掘して成功する企業が登場してくることを期待します。
つい先ごろ名古屋証券取引所セントレックスに上場したオウケイウェイヴは、兼元社長が名門のデザイン会社GKをやめて、会社設立まではホームレスというか放浪生活をしていたという異色の創業者の会社ですが、企業のFAQのためのシステムをASPで提供するB2Bの企業であり、ちょっと今ホットになっているweb2.0企業とは毛色の違う会社です。2005年6月期の売上高は4億8000万円と小さいとはいえ、収益性の高いASP事業としては立派な業績であり、企業相手で成り立っている堅実さがあると思います。
多くのチャレンジ精神をもった人たちが、web2.0のブームに乗ろうとするバイタリティには敬服しますが、このままでは、「2年後ぐらいには世の中から完全に忘れられてしまう気がする」というR30さんの予感どおりになりかねませんね。ビジネスにはあまり関心がない、好きなことをやって、そこそこ維持できればいいというサイトが一番強いのかもしれませんが。

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