いよいよ来月あたりから、次々にWindowsLive正式バージョンが登場してくるようです。昨日は、マイクロソフトさんからのご招待を受けて、ご指名は何かの間違いではないかと思いつつもセッションに参加させていただきました。ブログをやっている10名ほどのために開催されたものですが、検索するとブロガーを対象にしたセッションは日本だけでなく、海外でも行われているようでした。
ポータルという点でも、検索でもYahooやGoogleに遅れをとって、日本では特に存在感が薄くなってしまっていたMSNですが、こういったセッションを開催すること自体、またユーザーの声をフィードバックして頻繁にバージョンアップしていくという開発姿勢をを聞くと、どちらかというとOSという供給者サイドにたった発想から、ユーサーサイドにたった開発への大きな転換をしようという姿勢を感じます。
Windows Liveはまだ日本では、検索、メール、メッセンジャー、ブックマークのβ版しか提供されておらず、全容も、それぞれがどのように連携するのかもよくわからず、断片的情報では、Googleとか、どこかにある部品を寄せ集めただけじゃないかという批判も見られました。
しかし、開発ディレクターPhil Holdenさんの英語版でのプレゼンテーションをお聞きすると、かなり様相は違っていました。まだβ版をすこし使っただけなので、細かな使い勝手、またそれぞれの特徴についてはよくわからなかったのですが、お話を伺ってわかってくると、まるで、いままでとは違う会社が開発を進めているのではないかという印象すら受けました。
ちょうど今は、帰りの新幹線の車中で、時間があるので、興味をもった特徴について書いておきます。

オンラインとオフラインで使えるLiveMail
Gmailも、会社のメールもすべてに対応しており、統合できるというのが嬉しいし、なによりもこれまでのWebメールの欠点であったオフラインでの利用もできるというのが魅力です。さらにLiveMailは、RSSリーダーともなり、こちらのほうもオフラインで使えるらしく、それなら新幹線でメールと、ニュースやブログをじっくりチェックすることができますね。モバイル派にはありがたいことです。

シームレスに表示される検索
通常、検索サイトでは検索結果をどれだけ表示するかを設定してページを繰っていきますが、スクロールするとどんどん検索結果が表示され、改ページの必要がなくなっています。またキーワードからWeb、News、Image、Feedがタブで切り替えて検索できるのもいいですね。ちょっと使ってみましたが、欲をいえば、WEB検索でも、Feed検索でもブログの検索結果がいまいちしっくりこないのでBlog検索も欲しいところです。

最大の特徴になりそうなLiveMessenger
600名の制限がありそうですが、SNS的なコンタクトリストをつくることができ、もちろん公開非公開は設定できて、公開されているコンタクト先については、コンタクト先のコンタクトリストもどんどんたどっていけます。マイミクみたいなものだと想像してください。
また従来どおりの機能に加えて、メッセンジャー用の電話機も開発されており、メッセンジャーから電話もかけることもできます。これはSkypeとの激突になりそうですね。また共有ホルダーで、ファイルの共有ができるのも魅力です。とくにファイルの共有になるとセキュリティのほうも気になりますから、マイクロソフトさんのブランド力が効いてきそうです。
またこのメッセンジャーが、PCと携帯をつなぐブリッジのメディアになるそうです。携帯でもメッセンジャーが使えるということですが、モバイル環境でシームレスというのはいいですね。

課題
確かに、細部でかなり新しい工夫はあるのですが、「それぞれは、すでにあるものばかりなので、なにが違いなのか」という鋭いつっこみもありました。確かに焦点がどこにあるのかでしょうが、おそらく、各パーツがどのように、画面で統合され、クリックで簡単につながり、快適なシームレスな動作環境をしあがるのかにあるように思います。きっとそうでないと「それぞれいい子なんだけど、ちょっと魅力がねえ」ということになりかねません。
開発についても、APIなどをオープンにして、サードパーティとのコラボレーションを追求していくということですが、そういったオープンな開発戦略が実際にどうなっていくのかも大きいでしょう。その成否で広がりはずいぶん違ってくるものと思います。ユーザーサイドが主役になればなる多様な拡張機能が求められてきます。FireFoxはそれで加速度的に便利になていっているわけですから。ちなみに、WindowsLiveはFireFoxでも、Operaでも使えるそうです。
それと懇親会でも議論になったのですが、トップページがどうなるのかです。現在は、LiveSearchで、天気予報とか組み込んだり、ニュースを媒体別に選択して表示させるというものですが、Yahooニュースのようなテーマ別の編成のほうが一覧性が高く、現状ではYahooをトップページに設定しておきたくなります。ただ、トップページのテンプレートの共有ができるそうなので、それを見てみないとなんともいえませんが。
質問を投稿して、回答を書き込むというLiveQnAがまだ日本語では、β版もリリースされていません。ただ、よくできていると感じました。ブックマークのほうも、ソーシャルブックマークであり共有できるよううになっているのですが、どのように共有するのか、ランキングなどの仕掛けがあるのかはまだ明らかではありません。del.icio.usからは乗り換えてもいいかなと思いますが、「はてな」のブックマークとはちょっと違うような印象を受けました。
実際に使っていかないとなんともいえないことが多いのですが、少なくとも開発の考え方を聞く限り、これまでのMSNからWeb 2.0(笑)的進化が感じられました。これで先行してきたGoogleとの競争がいよいよはじまるのではないでしょうか。

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