特に落語のファンとはとてもいえないのですが、車には落語のCDをいつも搭載していています。これがなかなかいいのです。渋滞しても、落語を聴いているとイライラしてきません。それに眠くなりません。同じ話でも何度聞いても飽きないところも落語のよさですね。まあそれは人によるかもしれませんが。i-Podに落語を入れて、通勤の際に聴いてみるというのもよさそうです。オススメします。
そんな話をときどき立ち寄る人形町の居酒屋さんでしていたら、その店の常連さんの一人である立川ぜん馬師匠のCDをわけていただきました。聴いてみると、枕もさらっとしていて、無駄なくすっと話に引き込む正統派で、いやはや流石でした。普段は静かにお酒を召し上がっている姿しか存じ上げていませんので失礼いたしました。
このまえ、若いスタッフと一緒に乗ったときにも、その落語を聴いて、面白いからぜひCDを貸して欲しいということになりましたが、昨今は落語の番組も減って、落語を聴く機会がすくなくなったので、新鮮だったのかもしれません。実際落語は面白いのです。古典落語では、現代ではなぜ「落ち」になるのかがわからないことが多いのですが枕を聞いていればわかります。
東京の江戸落語と大阪の上方落語では語り口調や芸風は異なりますが、関西出身だとちらも素直に楽しめます。みなさんはどうでしょうね。江戸の落語は、歯切れがよく、またふーんなるほどという感じですが、上方落語のほうが破天荒で威勢がよく、しっかり笑いをとるという感じですから、笑いを求める人は、はまってしまうかもしれません。両方とも同じネタがありますから、同じ話を聴き比べてみると面白いですね。
上方落語では、亡くなった落語の原理主義者ともいえる桂枝雀師匠のお弟子さんである桂雀々さんが、枝雀師匠のオーバーアクションを受け継いでいらっしゃって面白いのですが、好みが分かれるかもしれません。
さて、この落語のCDですが、なかなか手に入りません。独演会など実際に聴きに行けば手に入りますが、落語のCDを揃えている店はすくなく、店がわかっていても、わざわざ行くのも大変です。しかし昨今はネットで入手できるようになって便利な世の中になりました。これもロングテール現象でしょうか。
本来はCDよりは実際に寄席にでかけて聴くのがやはりいいのですが、落語専門の定席をやっているところが、東京にはありますが、大阪ではなくなってしまいました。それが街の活性化をはかりたいという思いと上方落語の伝統をたやさないようにしたいという思いが一致して、かつては落語のメッカであった天神橋筋に 『天満天神繁昌亭』の建築が進められており、この夏にもオープンするとか。楽しみです。
伝承芸である古典落語がいまなお現代に脈々と生きているというのは素晴らしいことだと思います。とかくぎすぎすしがちな世の中ですが、潤滑油として今後とも人々から愛され発展していくことを心から願います。

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