SNSの世界は、アメリカでは『MySpace』、韓国では『Cyworld』、日本では『Mixi』というビッグなサイトに加入者が集中し、独走する傾向にありますが、一方では、手軽にサイトそのものを構築できることもあって、もう数え切れないぐらいのSNSサイトが登場してきています。SNSのサイトを紹介している『SNSナビ』を見ると、登録されているSNSをざっと数えるだけで100サイト以上ありました。
しかし、実際には、ほとんどメンバーがいないという寂しい状態のものもあり、いったい何のために手間をかけてSNSサイトを作ったのか理解できません。SNSブームというよりは、SNSサイト構築ブームという現象もおこっているのでしょうか。
まあ、地域、サークル、職場などで掲示板的に便利ツールとしてSNSを利用するというのはわかりますが、まあその程度でしょうか。趣味の領域を超えていないでように感じます。
SNSに限らず、Ajaxを使っていようが、Web2.0を標榜しようが、それは利用者には関係のない世界であり、所詮利用者に便益がなければ、またそれによって人が集まり利用されるサイトでなければたんなる作り手の自己満足でありお遊びにすぎません。お遊びだから悪いということにはなりませんが、その域をでていないということです。
そういえば、Googleがつぎつぎ出してくるおもちゃ箱のようなサービスも、出るたびに話題にはなるものの魅力はいまいちですね。話題となったGoogle Earthも、最初だけは面白いですが、今となれば、それ以上ではありません。今に、イソップ童話の「狼少年」みたいに、またかという感じになってしまいそうです。
近江商人JINBLOGさんのブログ経由で、メディア・パブさんが取り上げた『Google,非検索事業がまだまだの状況』を見ましたが、検索サイトは一流で、抜群の広告収入を得ているとしても、それ以上でも、それ以下でもないという風に感じます。
ちょっと話が脱線しますが、およそ5億数千年前のカンブリア紀といわれる時代に、それまではミトコンドリアみたいな単純な生命体しかなかった地球上に、突如おびただしい種類の新しい生命が誕生しました。カンブリア紀の爆発それはカンブリア爆発といわれていますが、きっと突然のなんらかの刺激、たとえば巨大な隕石が落下したというような出来事が起こって、DNAのかけあわせ、つまり情報のかけあわせが猛烈に活発になり、さまざまな突然変異が無数に起こったのだろうといわれています。情報のかけあわせを活性化すれば、新しいものがおのずと生まれてくるというのが『創発(emerge)』というモデルで、一ツ橋大学の野中郁次郎教授が経営学の中でも紹介されたのが有名です。SONYの前会長の出井さんが好きなコンセプトで、経営にとりいれたのですが結果は、『創発(emerge)』というよりは『暴走』がおこってしまったのではないでしょうか。
Googleも、いろいろやっているうちに、それらのかけあわせで、なんらかのビジネスがおのずと生まれてくるだろうという楽観主義なのでしょうか。Googleの場合はいろいろ違うものがでてくるのでいいのですが、SNSというカタチ、箱を増やしても感動がありません。
ネットの世界も、カタチから入るアプローチではなく、もっとユーザーのベネフィットから発想してみてはどうか、さらに新しいビジネスモデルを考えるところからアプローチしてみてはどうかと思うのですが、どうなんでしょうね。

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