チャネルや店頭(プレイス)、広告宣伝や販売促進(プロモーション)です。これらをいかに効果的に組み合わせていくかをマーケティング・ミックスと言います。しかし、実際のマーケティングでは、それらと同様、あるいはそれ以上にブランドが重要な役割を果たしてきます。ブランド力は、商品の選択に大きく影響するだけでなく、価格にも影響してきます。強いブランドの商品は、弱いブランドの商品より高くとも買われます。
ブランドのパワーは、誰もがわかることだと思いますが、ブランド力は、どのようにして創り出されていくかという点は、ともすれば広告の質や量だけを考えがちです。もちろん広告やパブリシティによって作り出されるということは否定できないことですが、それだけではありません。それこそ、先ほど述べた4Pのすべてが関係してきます。商品の企画が悪かったり、品質が悪かったりして、買った人の満足度が低いと、いかに強いブランドであっても、イメージが損なわれていきます。バーゲン価格でどんどん売り出されてくると、やはりイメージダウンです。どんな店で売られており、店頭でどのような扱いをされているかにも関わってきます。またブランド・イメージを培っていくのは、並大抵のことではありませんが、崩れるのは瞬間ということもあります。回転ドアの事件で、あの六本木ヒルズのイメージは大きく崩れてしましました。ブランド・イメージづくりが、日本で上手な会社といえば、まずSONYが浮かんできますが、商品の品質が悪いといううわさが絶えず、また、さまざまな技術分野で、他社が先行し始めると、新しい時代を拓くチャレンジャーとしてのイメージは、どんどん劣化していっています。ブランドは、マーケティングの問題でもありますが、もっと企業の哲学や、実際の経営の内容といった根源的な問題にも関係してきます。情報化が進めば進むほど、ブランドはパワーを発揮してきます。買う人たちも情報を頼りに商品を選んでいるからです。