404 Blog Not Foundの小飼弾さんが、プロと評論家の違いをについて核心に触れることを書いていらっしゃいます。

知れば知るほど無知を思い知らされ、力を出せば出すほど無力を思い知らされ、そして経験を積めば積むほど臆病になる。
(略)
そうして「逃げ」たくなった時、やるかやらないかが「プロ」と「評論家」の違いなのだと思います。どちらも知識は大いにあるので、「それが出来ない」理由ならいくらでも思いつきます。

このお話はとても重要だと思います。ビジネスに携わる人たちは、いつも3つのことを頭の片隅に置いておいた方がいいと思うからです。

ひとつは、知れば知るほど、分からないことが増えてくるということです。いろいろ体験し、また情報収集し、ディスカッションしながら状況を間違いなく把握し、正しい結論をえようとするのですが、知れば知るほど分からないことがまた新たに生まれてくるということです。知るということにも、出来ることにも限界があり、学ぶということはきりがありません。

二つめは、私たちは思いこみの住人だと言うことです。ビジネスの体験を通して、効果のある仕事の仕方とか成功の法則みたいなものを学んでいき、それぞれその分野のプロとなっていくわけですが、ビジネスの歴史が物語っているのは、なにも知らないはずの周辺からやってきた素人に、あっというまに主役を奪われてしまうということが多いと言うことです。世代交代もそうですね。状況が変わっているのに、間違ったことを正しいと信じてしまうからです。知らない人は、素直に学ぶので、よりよい考えにたどり着くということでしょう。分かっていると思うことと、そこには落とし穴が待ちかまえているということです。

三つ目に、完璧な結論なんか世の中にはないということです。やってみなければ分からないことのほうが多いのが現実です。だからこそ、仮説を立て、間違っていようがそうでなかろうが実行してみて、結果がどうだったのかを検証し、行動を修正していくというPDCAのサイクルを回すということが大切だろうということです。「やってみなはれ」なのですが、分からないことがいっぱいあり、間違っているかも知れないというリスクを感じながら「やってみる」というのと、「それいけドンドン」のノリで、間違っている道をまっしぐらに突っ走るのでは違ってきますね。

どう調べつくし考えつくりても、新しいことにチャレンジするというのは、つねにリスクがあります。やってみるリスクと、なにもしないリスクを天秤にかけ計りながら、どのようにアクションを起こすのがベターなのかという結論をだすことから逃げずに「こうしましょう」と切り出すのが本当のプロだということです。
学べば学ぶほど、また新たに学ぶことに出会えるということ、パズルを解くように考えることがいっぱいあるということ、そして最後にはドキドキしながらも自分という駒を進めてその結果をうかがうということ。そんな連続だからこそ仕事って面白いとつくづく感じます。

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