JALは、筆頭株主・最高顧問である糸山英太郎氏の新町社長の退陣を求めるHPでの発言を機に大揺れに揺れました。その後、糸山氏も想定の範囲外だったというクーデターが起こってお家騒動に発展し、やっと西松新社長就任で落ち着いたということですが、この間の混乱は「客離れが進み、業績が急速に悪化していると聞き、騒動の火付け役としては責任を感じている」と糸山氏が述べるほど、JALのブランドを痛める結果となりました。
しかし、この間の騒動はJALの体質が一挙に噴出しただけで、もともと航空機の競争に敗北しはじめていたからこそ、糸山氏の「断腸の思い」による新町社長退陣要求になったということでしょう。このJALの経営の失敗ははっきりしていますね。ひと言で片づけられます。「お客さま」に目を向けてこなかったということです。
内側の事情など、お客さまには関係ないことであり、いかに2兆円という売上げがあったとしても、規模とは関係なく、従業員の方々だけでなく、経営自らがお客さまと日々接する現場を肌で感じない限り経営の再建などないように思えます。

さて、対照的にもっと小さなブランドですが、昨年からお家騒動が報道され、気になっていた「一澤帆布かばん」の経営権の相続をめぐる争いが、ついに三男の前社長一澤信三郎氏に対する立ち退き処分が京都地裁で決定されたため、前社長がミシンなどの製造設備を含め、従業員とともに新会社に移ったことで製造休止という事態となりました。一澤帆布は、もう何十年前の学生時代は、京都のほんとうに小さなお店でした。それが、若い人たちの人気が高まり全国ブランドとなり、お店もずいぶん立派になったことに驚いていたのですが、相続を巡ってのお家騒動でブランドの致命的危機を招く結果となってしまいました。
出て行ったというか追い出された前社長と従業員の人たちの「一澤帆布加工所」のホームページは見ることができますが、経営の混乱を物語るようにオフィシャルページは現在は閉じられたままです。
この一澤帆布の顛末も、結局は「お客さまに愛され続けるために」という心が抜け落ち、ブランドという利権をめぐっての経営権の相続争いになったわけですが、ブランドを失うという犠牲に気がつかなかったのでしょうか。

ブランドは、お客まさに目を向け、お客さまの心を捉える経営やマーケティングを継続してこそ輝きつづけるのであり、それが崩れたときは砂上の楼閣となってしまうということだと思います。日々新しいことをやってこそ老舗の暖簾が守れるという先人の教訓は、今でも、またいかに大きなブランドであっても、生きているのでだと思います。それは企業だけの問題ではありません。政治家のみなさまにもぜひ真剣に考えて頂きたいことです。
※一澤帆布に関しては、ブックマークに登録しているお二人の方も書かれていらっしゃるのでご紹介しておきます。タイトルは似ていますが、別の方々のブログです。
日々是マーケティング「お家騒動?−一澤帆布かばん−」
日々是マーケティング(マーケターのblog)「小さな会社でもブランドはやっぱり大事だよなぁ」

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