Googleのパワーは、梅田望夫さんの「ウェッブ進化論」を読めばなんとなく解ると思います。昨年の業績の概要が発表されましたが、想定したよりやや多い61億4千万ドルの年間売り上げがあったようで、伸び率は年々落ちてきているのですが、それでも対前年比で192.5%という結果でした。まだまだ伸び盛りで、1ドルを115円とするとおよそ7000億円を超える売り上げ規模の会社になったということになります。
「ウェッブ進化論」によれば、5000人の従業員のうち3000人が博士号をもち、30万台のコンピュータを駆使して、全世界のネット上の情報を日々探索し、また更新して、情報の関連づけをしているといるということですが、ちょっとオールド・エコノミーの住人にとってはSFの世界を見ているように感じます。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

そのGoogleが、中国政府の検閲を受け入れ中国市場に乗り込んだことに批判があるとか「グーグルがアメリカ政府の検索情報公開要求を断って、インターネット使用とプライバシー保護を取り巻いた論議が加熱されている」といった社会問題もさることながら、Googleの収益のあげかたにちょっと疑問を感じ始めるようになってきました。
ブログの世界の住人の人たちにとっては、自分のブログにランダムに配信され表示されてくるAdSense広告がなじみでしょうが、広告を出す側として、かなり初期、きっと日本でスタートした頃からAdWord広告を利用してきました。ちなみにAdWard広告というのは、何かのキーワードで検索した時に、検索の結果のページの右横に、そのキーワードで広告を出している会社の広告が表示されるというものです。一日当たりの広告費の上限設定ができ、クレジットカード決済ができるので気軽に広告を出せるしくみになっています。
最初の頃は、このAdWord広告の認知がほとんどなく、キーワード検索してその横に掲出される広告は非常に少なく、実感として目立っていたのですが、認知が高まるにつれ、どんどん掲載される広告が増え広告よりも検索結果のほうが上に来るという状態になってしまいました。もちろん検索結果で第1ページにくるというのは、それなりの知恵や工夫が必要ですが、特にお金を払ってSEO対策をしなくともブログをやっている人ならどうすればいいかはお解りですね。つまり、AdWard広告という手法には盲点があるのじゃないかという疑問です。広告の金額が小さいので、広告を出す側が管理を怠っているから成り立っているのかも知れません。
AdSense広告についても、自分のブログに貼り付けて、それを副収入としたいという人はちょっと嬉しいしくみかもしれませんが、それで得られる収入はしれていて、クリックを増やす努力にはたして見合っているかという疑問を感じます。
虎穴に入らずんば虎児を得ずの例えに従って、それがどの程度のものかと、実験的に控えめにサイドバーに貼り付けたこともありましたが、このブログだとマーケティングというキーワードでマッチングされることが多く、仕事上都合の悪い広告がでていることもありました。
そうでなくとも、ブログのイメージを損なう広告もでてきますね。ブログを出す側の意志、許可がないままに広告がだされてしまうという気持ち悪さがあるのです。まあ見る方もわりきっているといえばそうかも知れませんが、玄関先に怪しげな張り紙広告が貼ってあるようなような印象を持ってしまいます。

amazon のアフィリエートなどは、商品を吟味して、つまりこちら側の意志で掲載できるので違いを感じます。愛読しているブログで書籍などが紹介されていると思わずクリックして、そのままカートにということもしばしばあり、ブログを書いている人の意志が入っているかいないのかで大きな違いを感じます。
パーミション・マーケティングという言葉があります。「もしよろしければ、わたしどもの案内をお送りしてもよろしいですか」といった許可を得てお客さまとのパイプをつくり、そこから絆を深めていくということですが、広告を掲載される側にも、どの広告ならいいかという許諾と選択の権利が必要だろうと言うことです。ブログもメディアであり、きっと何でも掲載するというメディアと、厳選された広告だけを掲載するのではきっと効果とかイメージにも違いが出てくるはずです。
きっとGoogleもそのことを解っていて何らかの手を打ってくるかも知れません。もちろんAdsense広告やAdword広告のしくみを生みだしたことは賞賛に値するとは思いますが、ちょっと違う発想が生まれない限り、AdWord広告もAdSense広告にも危うさとか限界を感じるのです。

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