東横インの釈明会見で、誰もがやっているスピード違反をやったようなものという発言で波紋を呼んだ西田社長が日本身体障害者団体連合会を訪れ謝罪したというニュースが流れていました。バリアフリー、またユニバーサルデザインへの社会の関心を高めるためにも、東横インがどういった改善をはかるかについての報道のフォローをお願いしたいもらいたいものです。また東横インには、障害者の方々がぜひ利用したいというホテルとなってもらいたいものです。
日本は、戦後の復興、またその後の高度成長期を経て、大量生産大量消費を効率的に支える社会が築かれてきたといえば聞こえはいいのですが、要は途上国型の発展をしてきたわけです。そろそろ豊かさが実感できる成熟した社会に成長しないと経済も手詰まりになりかねません。
これから日本は、世界一の高齢化社会に向かって進んでいくわけですが、そうなると高齢者の人たちが自由に都市をを利用したり、活動できるようになり、そこにマーケットが生まれ、また広がっていかない経済も社会も活力は維持できないことは当然なことです。バリアフリーとかユニバーサルな考え方は、そういった意味でもますます重要になってきます。
法で定められた東横インが障害者のための施設を撤去したことは責められなければなりませんが、障害者の人の利用が少なかったのでそうしたという西田社長の釈明は、ある意味で現実を物語っているようにも感じます。悪循環なのです。まだまだ物理的、また社会的ネックが多く、障害者の人がビジネスの場で活躍する障壁があるから、ビジネスホテルの利用もすくないのでしょう。
マスコミも一方的に責めたてる報道をやっていますが、問いたいのは、テレビは、キャスターやコメンテーターに障害を持った方々を積極的に採用してきたのかということです。テレビの公共性を主張するなら、障害者の方々の活躍を効果的にPRできる報道番組で起用してもしかるべきでしょう。
東横インが、ヒューザーとまるで同じというバッシングに走った報道も、またそう語るコメンテーターが目立ちましたが、なぜ東横インが、サラリーマンに人気があり、急成長してきたのかについてはほとんど触れられなかったような気がします。
ライブドアのパブリック・ジャーナリスト今藤 泰資さんの 「この女に石を投げるな」、東横インの小さな親切 は、東横インがサービス業として努力していることがひしひし伝わってくる今藤さんご自身が体験された心暖かいエピソードが書かれています。
今回の事件で、障害者の方々と東横インで対話が生まれることを期待します。今回の問題は、目くじらたててバッシングすると言うよりは、そういった対話によって解決していくことが似合っています。ビジネスホテルは、今は、障害を持たないビジネス戦士のためのホテルでしょうが、そういったホテルが、バリアフリーで、ユニバーサルなホテルとなっていくことの社会的意義は大きいと感じます。

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