昨年末に、H-Yamaguchi.netさんの「暴論:「負け犬」男性を救え!」から始まり、それにR30さんが「なんで年末になると少子化対策の話になるんだろう」というバトンタッチの議論がありました。またそこにHardcodedさんが年末は少子化問題がかまびすしいようだ」で絡んだりして、面白く読ませていただきました。
どうでしょうね。負け犬か負け組か知らないけれど、結婚できない、子供がいないというのはもともと女性よりは男性のほうが多かった訳ですが、だいたい専門家に言わせると、人口問題に関しては、男ってどうでもいいそうです。
男が10人にひとりしか結婚できなくとも、女性が結婚しなくとも子供が産める環境があれば、人口の維持に関しては何の問題もないので、女性が自由に子供を産める環境をどう築くかに本質的な問題があるといわれています。
まあそんな学者の理屈はさておき、一夫一妻制度で、結婚して子供を産むという価値観が近代になって、突然定着したわけですが、それにあわせて社会を設計しようというのは人類にとっての大いなる挑戦であり、そうとう知恵がいるような気がします。それに今更そういった価値観を変えるというのは難しいですね。
さらに、少子化って、豊かになった国に共通している問題なのだということも忘れてはいけません。貧しい社会ほど、生き残る確率が低いので、たくさん子供を残さないと生き延びれないというDNAの戦略が働くのですが、豊かになるとDNAの生き残りのパワーもどうも鈍るようです。
少子化問題は、よほどの覚悟で取り組まないと歯止めがきかないというのは常識だし、R30さんがおしゃるようにどうすればいいかなんて議論しつくされていて、しかもできることも決まっているのだけれど、次の選挙にどう勝つかというにしか関心のない政治家と、どう予算を取るかしか考えない官僚が本気にならないだけです。少子化よりは、構造改革だとか、憲法問題を全面に立てるほうが年寄りの票が取れるということを考えれば分かりますね。
政治家は物事を決めるプロとしても、実行のプロではないので、そういった政策の理解を促進するマーケッタを起用すればいいというR30さんのアイデアはいいと思いますが、残念ながら、日本は、黒船が来ないと動かないというか、この前の「男たちの大和 YAMATO」でとりあげたように、「負けないと目覚めない」のが日本なので、少子化問題にしても、負けてから、つまりもっと行き詰ってから始まるのかも知れません。

そういう意味では、高齢化はものすごい速度でやってきます。実感したい人ためにこの人口問題研究所のグラフをご覧ください。ただ、この人口問題研究所の予測する出生率はあたったためしがないとか、また発表タイミングで怪しげなことをしたことで問題になり、それでご存じの人も多いと思います。勝手に引用するなって馬鹿なことが書いてあるので貼り付けができません。面倒ですがリンク先をご覧ください。税金を使って、天下りしておいて偉そうに言うのもなんだかと思いますが、まあいいや、どうせTHAT'S KINDですから。
高齢化はなんとかそれに適応しないと社会が持ちません。だから否が応でも、みんなでどうすればいいかをきっと考えるでしょう。
高齢化問題は、ほおっておいてもみんなが考えざるをえないからいいのですが、少子化対策は、どうするのかという国家の意図が必要で、だからこそ国家戦略として据えるべきで、本気で取り組まないと経済も社会ももたなくなると思うのですが、まだまだ関心が低いので、やはりきちんとしたマーケティングチームをつくれというR30さんの説に帰ってくるのでしょうか。

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