チアーなんのことかが分かる人は、ちょっと少ないでしょうが、今日の東京ドームで、社会人アメリカンフットボールXリーグの決勝戦がありました。アメリカンフットボールといえばチアーがゲームを華やかに盛り上げます。写真のようにその祭典でもありました。
さて試合のほうですが、どんな事情があるのか部外者には分からないにしても、松下電工のとった作戦は、おいおい、システムキッチンの展示会じゃあるまい、なんでそんなにクオータバックを変えるんだよというぐらい、三人のクオーターバックを登場させ、それが仇になったように感じます。
アメリカンフットボールは、スポーツでは最もベンチ・ワーク、つまり選手の起用法とか、作戦で勝敗が決まるスポーツといわれていますが、素人目には松下電工が作戦で自滅し、掴んでいた勝利を自ら捨てたという感じに見えました。
東の代表のオービックシーガルズがチャンピオンシップを獲得し、学生も「甲子園ボール」で立命館パンサーズに法政大学トマホークスが勝ったので、日本一を決めるライスボールは、東対東の対決となりました。数すくない西が強い競技だけに残念な結果です。
それで感じるのは、やはり競争のあるところでないとスポーツは強くならないということです。ラグビーも、関東に比べ関西は競争が緩く、平尾や大八木などがいた同志社全盛時代を最後に学生ラグビーは、長期的に関西が低迷しています。
アメリカンフットボールも、京大が弱体化し、立命が勝つという構図が続き、優勝争いも、関学と立命に固定されてきました。社会人も関西は、松下電工とアサヒ飲料の2強の優勝争いという2強時代が固定し、ある意味ではマンネリ化してきていました。
ビジネスと同じで激しい競争がないと全体のレベルは上がっていきません。そういう意味では、国家公務員試験に通った時点で出来上がってしまって、競争のない役人さんが信じられないほど堕落し腐敗していくのも当然だというのと同じことです。
もう一点は、スポーツも、ビジネスも基軸というものが必要だということではないでしょうか。基軸をつくるのは、一貫した考え方とそれを実現する人材です。そして基軸があるからこそ、多彩な変化もつくりだせます。
今日のゲームのように基軸をつくるクオータバックが、素人でも首を傾げるぐらい交替して自滅していったことは、ビジネスの教訓にもなります。どのような事情があったのかも知れませんが、能力の高いクオーターバックを揃えても、見本市のように「総花作戦」をやってしまっては、厳しい勝負の世界、競争の世界の中では通じないことだったのでしょう。
レベルを上げるには競争が必要であり、またそのなかで勝ち抜くためには、一貫した戦略というか考え方が必要だと言うことを感じさせられた一日でした。

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