見事「オセロゲーム」のように、この二年間の苦労を一瞬に塗り替え、東京国際マラソンの勝利で復活を果たした高橋尚子さん。関東地区での視聴率が 23・8%、ゴールして月桂(げっけい)冠をかぶせてもらった直後はなんと35・3%ですから、ほんとうに多くの皆さんが、固唾をのんで高橋さんの復活を 見守っていたということですし、その勝利に感動し心から祝ったのではなかったでしょうか。
TVもこの復活のためにため込んでいたのじゃないかというぐらい、これまで高橋さんを取材してきたVTRを流していましたし、テクノラティで見ても高橋尚子さんを取り上げたブログもすざまじい数になっています。
高橋尚子さんは、ランナーとして素晴らしいことはもちろん言うまでもないことですが、ほんとうに言葉の魔法使いだと感じます。シドニーで金メダルをとったときにでたひと言が

皆様の声援が背中を押してくれ、楽しく走れました

でした。その一瞬でマラソンを観客も参加する楽しいスポーツに変わってしまいました。二年前のまさかの失速、さらに、自分を追い込むように、10年間連れ添ってきた小出監督とも決別したときは、ほんとうに暗闇の中で必死にも耐え、もがいていたと思いますが、

自分は、いつも頑張らなければ45番目の人間なのです。
人よりも何倍も頑張って初めて上に上がっていける人間なのです。
今回は、アテネ五輪で金メダルをとるという
宝箱を開けようとしたけれども、
宝箱が突然、どこかへ消えてしまった。
だから、私は今、次の宝箱を探していて、
それを開けることを考えてワクワクしています
ブログ「幸せな成功のための魔法の杖」より

そんな風に言ってのけてしまうのです。
昨日のレース後も報道陣全員にむかって、

いつも一番前で支えてくださってありがとうございました

という言葉をかけて報道陣もウルウルさせてしまったようです。レースそのもの、また見事な復活劇だけでも感動するのに、そんな声をかけられちゃあたまらないですね。またレース後に、高橋尚子さんは、こんなメッセージを私たちに送ってくれています。

人 の温かさや力を貸してもらったという意味で、すごくうれしさを感じられた二年間でした。一度は陸上を止めようと思った時も、夢を持つことで一日一日を充実 して過ごせました。陸上に関係なく、今、暗闇の中にいる人や悩んでいる人も、どうか夢を持って一日を過ごしてください。一日だけの目標でも三年後の目標で も、何でも目標を持つことで、一日が充実すると思います。小学生や中学生はもちろん、三十代そして、中高年の皆さんにも、二十四時間という時間は平等に与 えられたチャンスの時間です。二度と来ない、この一日の時間を精一杯充実した時間にしてください。今日は皆さんのおかげで私はとてもいい日になりました。 (参照記事

ほ んとうに、まわりの人びとのことをいつも考え、またものごとをポジティブに考える天才としか言いようがないですね。そこまでは真似できないとしても、いつ も希望の一筋の光を見失わないでやっていきたいものです。光りを見失わないから、人に対しても優しくなれるのだと思います。

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