ソニーのロケーションフリーが売れているという記事がありました「ソニーのロケーションフリーは放送と通信の壁を壊すか」を読むと大ヒットみたいな書き方なので、BCNランキングでチェックしてみると、大ヒットというところまではいかないにしても、そこそこは売れているようです。
まあしかし「放送と通信の壁を壊す」というのは、自宅のテレビやDVDなどが室内であれ、外出先であれ無線LANで、インターネットを通して、PCとかPSPで見ることができるようになるので嘘ではないにしても、ちょっと大袈裟なような気もします。かなりTVフリークのためのシステムということでしょうか。
外で、番組を見る時間がある人、どうしても見たいという人ならいいかもしれませんね。ちょと自分自身はそんなニーズも、生活シーンもいずれも思い浮かびません。
もし新幹線で無線LANが使えるようになっても、きっと見るのはTV番組じゃないでしょうし、きっとインターネットでの動画のニュース配信が増えてきたり、携帯電話でも放送と通信の壁はなくなってきます。さらにiPod nanoのように番組をダウンロードしてしまってもいいわけですよね。
もっとコンテンツのあり方そのものにも影響を与え、また変えてしまうようなインパクトのある提案をして欲しかったですが欲張りというものでしょうか。まあ、でもこのロケーションフリーは、エアーボードの大失敗からはかなり進化したんじゃないかと思いますが、まだモノ寄りというか、ハードの匂いが強いですね。

このロケーションフリーに限らず、日本のモノづくりの巨人たちの発想が、まだまだ、まずモノありきというパラダイム、モノでなんでも解決するという発想の影がちらついているような気がしてなりません。
確かに、最終的には、コンテンツなり、何らかのソリューションのインターフェイスとなってくるのはモノであり、新しい技術が生まれ、製品が革新されると言うことはとても大切なことだとは思いますが、原点に立ち返って顧客、生活者を起点に組み立てないと、新しい発想は生まれてこない時代になってきたのではないでしょうか。
顧客や生活者は、自分のしたいことを気づかせてくれ、新しい世界を体験させてくれたときに、感動し満足します。もうハードを買ってウレシイと言う時代じゃないですね。もっとハードから拡張して、顧客、生活者を起点に、ソフト、サービス、ハードの塊でソリューションを考えないとなかなか新しい世界は生み出すことが難しくなってきているように思います。
言うは易しかもしれませんが、チャレンジしていかないと、いつまでたってもスマイルカーブの地獄から抜け出せないのではないでしょうか。

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