10月12日にエイベックスから「『のまネコ』商品化に関する当社の方針」がだされ、エイベックスは、「マイアヒ・フラッシュ」を収録したCD等の商品の発売中止(廃盤)、有限会社ゼンに対する「のまネコ」の図形商標の登録出願の取り下げ要請に続いて、「のまネコ」グッズのロイヤリティを受け取らないことにしたと発表しました。 ネットコミュニティのみなさまには、いろいろ不快な思いをさせてごめなさい。エイベックスとしては、すべての権利放棄をしたので、のまネコグッズが販売されていてもエイベックスはもう関係ありませんという表明です。
ブログ「すちゃらかな日常 松岡美樹」さんが、2ちゃんねるの「一部の人」論争を考える──これは2ちゃんねるに限った話なのか? 」に続いてこのことを取り上げていらっしゃいます。ちょうど選挙と重なったためか、単にあまり関心がなかったからか、ジャーナリズム系のブログでは「のまネコ」問題は取り上げられられてこなかったので、目にとまりました。松岡さんご自身はジャーナリズム系とは思っていらっしゃらないかもしれませんが・・・
エイベックスさんは本当に「小出し」にやってきました。エイベックス発表の文書の中にも、ちらりと触れてありますが、企業の実務に目がいってしまい、問題の全体像とか、本質とか、流れを読む人がいなかったのでしょう。こういうのは「間違ったことを正しく行う」  ということであり、経営の中で陥りやすい問題です。その修正が遅かったのと、「小出し」にやってしまったことは、さらに怒りを買う結果となってしまいました。
ひろゆきさんは「とりあえず、謝罪してキャラクター使用料を放棄するというのは、のまネコのパクリ疑惑に関しては実質認めたようなものだと思います」としていますが、その通りでしょう。法務の人が絡んで、企業の正式な文書として発表すると、どうしてもああいう風になりますね。
しかし間違ってはいけないのは、エイベックスが「全面降伏」したとしても、「のまネコ」グッズが売られないという保証はどこにもありません。もはや「のまネコ」グッズに関しては、エイベックスの手から離れたということであり、逆に誰が作って売ってもいいという状態になったということです。
エイベックスが関与できるのは、「のまネコ」という名前で販売されたときには、それはこちらで商標を出願しているのでやめて貰いたいということぐらいですね。もはや、著作権も、商標権も、権利を主張する人も会社もなくなったわけで、モナーは、アレンジして商業利用するリスクに晒されたままだということです。当初のライセンス契約がどうなっているかは契約書を見てみないとわかりませんが、エイベックス側にできることはもはやないのではないかと思います。不買運動を続けるというのは当然でしょうが、エイベックスという標的を失ったわけで、グッズを販売している販売店を対象としたものに切り替えるべきでしょうか。

今回のエイベックスの声明の中では、この部分を注目しています。

また、皆様から寄せられたご意見・ご批判を真摯に受け止め、当社グループは、ネット・コミュニティーにおいてクリエイティブな活動をされている方々と共に、新しい創作物を生み出すためのより良い環境作りや、その支援といったことについて積極的に検討することを決定致しました。
ほんとうに、エイベックスさんがネットの中で生まれてくるクリエイティブな活動を支える投資と活動をはじめたら、きっとそれを支持する世論も高まってくると思います。それによってエイベックスさんが新しいビジネス分野を開いたときには、きっとネットコミュニティがそれを支える大きな力になってくると思います、。

今回のエイベックスの声明は、全面降伏で手打ちしたいということですが、この声明にあるように、消極的な対応からよりクリエイティブな方向にハートを切り替えて欲しいものです。コミュニティのみなさんとエイベックスさんのお互いが協力し合って、おしゃれな解決、あっと驚くような新たな展開が生まれることを期待しています。 

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