わずか7ヶ月しか持ちませんでした。長崎県西海市の長崎オランダ村再生のチャレンジが残念なことに破綻し、22億円の負債を背負って、CASジャパンは3日、長崎地裁に自己破産を申請しました。マネーの虎でも知られる「庵」グループの小林敬チェアマンが高い理想を掲げて「調理師学校」「フード&リビンググッズ」「ブライダル」「福祉文化村」などの事業展開を図ったのですが、開業した20のレストランに見合った来客がなく、設備投資が重くのしかかってしまったようです。
このブログで、期待をこめて、昨年に書いた「オランダ村再生への挑戦」には小林チェアマン自らの熱いコメントも寄せていただいていますが、アイデアがよく、戦略が正しく、いかに志が高くとも、さまざまなリスクをクリアして、正しく成功に導くということはきわめて難しいということでしょう。来年4月には調理学校がオープンの予定だったようですが、順序が違ったのかもしれません。朝日新聞長崎の「再生計画白紙に」の記事が詳しいので、以下に抜粋しておきます。地方再生という課題はそれにしても重いですね。

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 ようやく活気が戻った「街」は、また廃虚に戻るのか。西海市西彼町の旧長崎オランダ村跡地に進出したCASジャパン(小林敬CEO)が3日、自己破産を長崎地裁に申し立てた。事前に何の連絡もないままの幕引きに、行政や取引先、従業員など関係者の表情には、怒りと不安が入り交じった。
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「地産地消」を掲げ、地場の食材を提供していただけに、取引先には地元の業者が多い。
 上司からの指示で駆けつけたという長崎市の食料販売会社の社員(47)は「6月ごろから(CASからの)支払いが遅れていた。危ないとは思っていたが、こんなに早いとは。未収の代金は100万円以上ある。零細にとってはきつい」と深刻な表情だった。
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西海市は、旧西彼町からオランダ村再生計画を引き継いだ。出張中の山下純一郎市長に代わって対応に追われた藤原敬一助役は「CASからは事前に何の連絡もなかった。小林氏とも全く連絡が取れない」と怒りをあらわにした。今後、計画の全面的練り直す部署を市役所内に設置することを検討するという。
 当時、中心になって進出計画をまとめた村山一正・元西彼町長は「アイデアはあるがお金がなかったのか。地域の再生というテーマの難しさを改めて突きつけられた思いだ」と言葉少なだった。