西友が絶不調です。05年12月期に4期連続の最終(当期)赤字になる見通しだそうで、ウォルマート式の、すべての商品をいつも安売りする「Every Day Low Price」商法の考えとははずれるチラシを強化してなんとかするという考えらしいですね。
毎日新聞の取材に、西友の渡辺紀征(のりゆき)・最高経営責任者=CEOは「低価格で買い付けるノウハウがないのに、昨年まで無理な安売りをした」とおっしゃられ、ウォルマート流の安売り導入を急ぎ過ぎたことを反省されているそうですが、ウォルマート式の荒削りの商法が、競争が激しく、しかも商品の質にこだわる日本のお客さまに通じるとは到底思えません。
実際に店舗に行っても、売り場に、輝きも勢いも個性も感じられず、経営が厳しいのはデータを見なくとも肌で感じるはずで、売り場の魅力でうくりや活性化という本質に手をつけなければ、チラシ程度の小手先では厳しいのじゃないでしょうか。
また大手スーパーのイオンが7月に10万円の大型液晶テレビを販売したことを例にあげ、「ウォルマートの調達網を使えば、8万8000円で用意できる」と試算してみせたそうですが、大型液晶テレビで西友が建て直せるはずがなく、的を射的を射た発想とはいえません。
参考記事
西友:渡辺CEO、性急なウォルマート方式導入に反省
西友、再建へ正念場 ウォルマート式難航

根本的な店の経営哲学、お客さまとどうお付き合いするのかという理念から見直した方が早いと思うのですが、今どきめずらしいというか、マクドナルドとよく似た迷走ぶりで、まだまだ西友は厳しい状況が続きそうです。アメリカだから成功したウォルマート商法の幻想を追うよりは、お客さまとか外部に耳を傾けたらいいのにと思いますがどうでしょうね。あるいはダイエー再建でも参考にしたほうがいいのじゃないかとすら思えてきます。
社内から選抜する20人程度の幹部候補生に、経営や財務、マーケティングなど経営トップに必要な知識や考え方などを教える西友経営塾を来月から開催し、トップを担う人材を育成するというのは立派だと思いますが、小売業に欠かせないお客さまへの感性やハートも育てて欲しいところです。小売業は理屈だけじゃないですからね。
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