民主党の菅直人さんが、「自分を見つめ直したい」とお遍路さんのスタイルで、四国八十八カ所巡礼の旅にでかけ、昨日ゴールインされたそうです。おめでとうございます。いろいろ批判の声もあるようですが、ぜひ「一皮むけて」再び活躍されることを祈ります。

何かがきっかけになって、いままで気のつかなかったことを悟ったり、視野が広がったという経験は、どなたもお持ちだと思います。人は体験を通して変わっていきます。あるいは、肌で体感するような体験がないと人は変わっていけないのかもしれません。菅さんが、そういった体験に自ら飛び込まれたことに関しては敬意を表したいと思います。
考えれば、菅さんはアンラッキーでした。「未納三兄弟」と閣僚を批判し、年金未払い問題の批判の急先鋒に立っていたところに、菅さんご自身が、年金未払いだったという疑惑が生まれ、批判の集中豪雨を受けました。
この問題も、民主党代表を辞任した直後に、菅さんの主張のとおり役所のミスだったことがわかりましたが、時すでに遅しでした。この発表のタイミングといい、出生率の発表のタイミングといい、なにかきな臭いモノを感じます。
疑惑が起こり、菅さんが釈明に走っていたときに「菅さんは辞めるべき」というコラムを書いたジャーナリストの岩見さんは、役所のミスであったことがわかった時点で、菅さんに謝罪するコラムをお書きになりました。ジャーナリストとして立派な態度だと思います。しかし、菅さんをさんざバッシングしたほとんどのジャーナリストやマスコミは、知らん顔を決め込んだままです。

正直なところ、菅さんは、他人を批判し攻撃するのは得意という面が目立ちすぎ、また、都合の悪い質問に対して、ご自身を正当化するような反論をすぐに返すという癖があり、あまり共感が持てませんでした。しかし、今回の巡礼の旅の途中で、アンラッキーが続いたことをどう感じているかというインタビューに対して、「すべて忘れました」と答えていらしゃるTVの報道を見て、「一皮むけた」という印象を受けました。またぜひそうあってほしいと思っています。

横道にそれましたが、私自身にも「自分が変わった」と実感する体験がいくつもあります。そのひとつですが、まだ若かった頃に、広告代理店で当時は破竹の勢いで急成長していた流通業の会社の担当をしていたことがあります。当時、流通業は圧倒的に人材が不足していたので、広告代理店のスタッフとはいえ、なにからなにまでやらなければなりませんでした。
それこそ、事業計画づくりまでお手伝いしなければならないかと思えば、海外企業の最新資料を翻訳してレポートしたり、全くクリエイティブの経験がないのに、突然TVCMをつくれと言われたり、キャンペーンのプロデューサーをさせられ、あげくのはては広告のコピーまで書かされるという毎日が続いていました。海外での出店の応援を命じられ、生まれて初めて海外体験ができたのはいいのですが、何ヶ月も休みなし、朝早く出勤して夜遅くホテルに帰るという缶詰状態の毎日を過ごしたという経験もしました。

しかし、無理がたたってのでしょうか、あまりに胃が痛むので病院に行ったところ、胃潰瘍だと診断を受け、即刻入院の通告を受けたのです。ドクターストップです。本当にショックでした。目の前がまっくらになりました。自分が抜けたら、あの仕事はどうなるんだろう、ただでさえ人手が足りない、みんなに迷惑をかけると思うと途方に暮れました。
しかし3ヶ月ほどして退院し、出社したのですが、なにもなかったように物事は動いていました。この時のショックのほうが大きかったですね。しかし、そのときの学びが後に大きく役に立ったように思います。
夢中になると自分しか見えなくなり、まわりが持ち上げてくれていることも、支えてくれていることも忘れ、自分自身を過大評価しがちだということを気づきました。本当は、自分だけで仕事が回っているわけではなく、社内外という枠をこえて、仕事はチームで動いているのです。たまたま、ある時期にある人にスポットが当たるだけのことです。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」で、成功すればするほど自分を支えてくれている人たちへの感謝の気持ちを忘れてはいけないこと、主役はチームなんだということを身体で悟ったように思います。
また同時に、組織というのは、タフであり、少々の危機や障害があっても、それをカバーし持続し続ける力があるということを知るきっかけにもなりました。デリバティブとか不動産などへの投機で失敗するといった致命的な失敗はともかく、まともなチャレンジであるなら、思い切ったことをやって失敗しても、組織はかならず失敗をカバーし、失敗から学んでさらに成長するなにかをつかむことができるという経営学の教えも、素直に学ぶことができたように思えます。

このブログも、自分を変えるいいトレーニングになっているように思います。きっと、そういうこともあって、ブロッガーがどんどん増えているのでしょうね。
実際にお目にかかったことはなくとも共感できる人たちにであったり、なるほどと感心したり、人の個性をブログから感じたりしていること自体が、また新しい自分の可能性を広げてくれはじめていると感じる今日この頃です。
ちなみに、「一皮むけた体験」について、神戸大学の金井先生が本を書かれています。ご興味のあるかたは、ご一読をお薦めします。

仕事で「一皮むける」





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