カレーを肴に呑むウィスキーは格別です。しかし、ぜんざいを食べながら、日本酒が飲める人は、甘辛の両刀使いの達人ですね。実は結構いけますよ。
マーケティングの実務には、それに近い両刀使いが必要になってきます
マーケティングの実務は、「考える」と「感じる」が同時に必要です。左脳も右脳も働かせないとこなせません。これが結構難しい。
「考える」は、本を読んだり、会議で議論したり、企画書を書くなどの実務の中で鍛えられていきます。実務を通して、どのように考えればよいかを教えることもできます。
しかし、「感じる」は教えることができません。売り場に足繁くでかけるとか、お客さまの話を伺うなど、できるだけ、現場に行く機会、お客さまに触れる機会をつくって「感じる」機会を増やしていくしかありません。
さて、この「考える」と「感じる」ですが、多くの人が誤解しているのは、データを読んでいる時に「考える」ものと思っていることです。むしろ逆です。その背景にある変化や意味、お客さまの顔を「感じ」て、読んでいかないと新しい解釈や意味の発見はおぼつかないですね。まして、雑誌やマスコミのこれがトレンドだというキーワードで考えるというのは、「考える」ことも「感じる」ことも放棄したに近いと思います。だから、いいプレゼンテーションは、お客さまの姿、お客さまの行動やしぐさが浮かんできます。つまらないプレゼンテーションは退屈な理屈、手垢のついたキーワードしか感じることができません。
逆に、デザインを詰めていくときに、デザインは「感じる」ものと決めてかかっている人がいますが、デザインは「考える」ほうが重要です。「お客さま」にはどう見えるか、どのように感じてもらえそうかを「考える」ものです。デザインは、さまざまな方向やアイデアを「考える」ものです。POPひとつにしてもそうです。
マーケティングの実務では、工業デザイナーやグラフィックデザイナーの人たちとのコラボレーションが必要になってきますが、有能なデザイナーの人たちは「考える」能力が高いですね。だから、コミュニケーション能力も高く、さまざまなコンセプトのプロトタイプを戦略的に生み出したり、またモニター・テストの結果から、どんどん改善していけるのです。
「考える」力のないデザイナーは、最初はいいデザインを出せても、その後の修正の中でどんどんデザインが崩れていきます。「考える」能力の高いデザイナーは修正のたびにデザインが輝いてくるから不思議です。
「考える」と「感じる」の両刀の達人になることが難しいと感じたときは、それを補ってくれるパートナーを身の回りに確保するというのが一番賢い方法かもしれません。
また、なにか行き詰ったときに、「考える」と「感じる」努力を逆転させてみるというのも案外いい結果を生むことがあるように思います。

さて、そこで『魔法の質問』さんのブログに見習って質問です。昨日は仕事でどんなことを考えましたか。またどんなことを感じましたか。



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