マーケティングは、ひとによってかなり異なるイメージがもたれているようです。データを集めたり、データとにらめっこする仕事というイメージであったり、企画書を書く仕事、さらに販売促進や広告の企画というイメージを描いている人が少なくないと思います。
それはそれでいいでしょうが、マーケティングの世界の住人からするとちょっと違うという感じがします。
なかには、「営業は売ってなんぼの世界、若いやつはマーケティングだと称して理屈を並べるばかりで体を動かさない。」とマーケティングにアレルギーを示す方もいらっしゃいます。ベテランの営業、特に高度成長期で育った営業の方に多いですね。しかし、営業で何が大切かというお話を伺うと、ご本人はちゃんとマーケティングの理にかなった仕事をやってらっしゃるから、ずいぶんマーケティングも誤解をうけているなあと感じます。
誤解を解くためにいいたいのですがマーケティングは、理屈の世界というよりは、知恵の世界です。お客様に買っていただいて、さらによろこんでいただくための知恵の総力戦です。「理屈ばかり言っていないで、とにかく顧客に会いに行け」というのも、足しげく通ううちにお客様の本音や何を望んでいらっしゃるかが見えてくるという、経験にもとづいた知恵の世界です。理屈をいくらならべて、お客様がよろこんでいただけるわけではありません。
知恵の世界という限り、ここで、データと情報、知識、知恵の関係を整理しておきましょう。ちょっとナレッジマネジメントみたいな話になりますが、この関係を理解しておくとマーケティングを理解しやすいと思います。
確かに、マーケティングでは考える根拠となるデータや情報を収集します。どうやって集めるのかはテーマによって、データと情報の違いは、データは数字や言葉の断片でしかありません。それ自体はなんの意味もありません。たとえば、よくでる例えですがアフリカの奥地に行って、そこの住人がみんな裸足だったとします。データでいうと靴の所有率はゼロです。誰も靴を履いていないから、靴のマーケットはないという意味を見出した時に、それは情報となります。逆に誰も靴を履いていないからマーケットの可能性が無尽蔵にあると判断したとしても、そいれも情報です。だからデータからどのような意味を見出すのかは、人によっても異なります。
ただ、言っておかなければならないのは、ちょっと混乱させてしまうかも知れませんが、マーケティングは理屈ではないけれど、理にかなっていないといけないのです。つまり、思いつきのアイデアを寄せ集めるだけ、ばらばらでちぐはぐなことをやっていては、マーケティングは成り立たちなせん。
お客様は、こういうことを望んでいらっしゃって、だから当社としてはこういう切り口で製品やサービスを提供するという理にかなったことをやらないと、成功はおぼつきません。